パート2まで読んでもらったら、ここからが本番! 脱・猫背のための実践的なストレッチをしていこう。初心者はまず基本の3ステップから。習慣づけるためにこれだけでも21日間、続けてみて!
脱・猫背のカギは
全身からのアプローチ。
「猫背改善には上半身のストレッチ」と思ってしまう人も多いのでは? でも前述もしたように、人間のカラダというものはすべてが繋がっている。「ここでお教えする3ステップは、背骨、肩甲骨、股関節に対して同時にアプローチできる。ステップ1は呼吸を深めるため、2と3は左右にひねる〝胸椎の伸展と回旋のストレッチ〞で、胸椎の可動域が広がり、姿勢を改善してくれます。カラダがかたい人は、最初のうちはやりづらいかもしれませんが、慣れてくれば徐々に柔らかくなっていきますよ」
ステップ1:胸骨上げ呼吸
胸骨をほぐして呼吸をととのえることから始めよう!
やり方(HOW TO)
①:片方の手の腹を胸骨(胸の前側中央)のあたりに置き、もう片方の手で上から押さえる。
②:押さえたほうの手で少しだけ圧を加え、胸に押し付けた状態で上にグッと引き上げる(引き上げることで息が深くしやすくなる)。
③:引き上げた状態で、鼻で息を吸って、そのまま息を2~3秒止めて、鼻からゆっくりと吐く。胸骨付近を引き上げたまま、呼吸を3回繰り返す。

ここが大事!(POINT)
・肩が力んで、上がってしまわないように注意。
・胸と腹両方に息が入っていくようなイメージで行う。
Nakano’s VOICE
自律神経や精神面に問題を抱えると胸骨がかたまりやすい。ストレッチ前とストレッチ中の呼吸の深さの違いを感じてみてください。〝本来の呼吸〟をしっかり認識することで、呼吸の深さが変わってきます
ステップ2:コモドストレッチ
肩甲骨・背骨・股関節まわりの筋肉を伸ばす。
やり方(HOW TO)
①:両ヒジをついてうつぶせになり、片ヒザを立てる。1立てた脚はできるだけ前にセッティング。

ここに注目!(CHECK)
前から見ると……

②:曲げたヒザの2内側に手を置く。
③:②の状態からヒジをゆっくりと伸ばし、胸と顔を曲げた脚と反対側に向けて体幹をねじる。深呼吸(腹式呼吸)を繰り返す。3回程度、深呼吸をしたら、左右を入れ替えて同様に行う。
ここが大事!(POINT)
・できるだけ力を抜いて行う。
・③は無理にヒジを伸ばそうとしなくてOK。肩をしっかり床に近づけることを優先。
Nakano’s VOICE
トカゲのようなポーズのストレッチ。ポーズが少し複雑に見えますが、3つの部位を同時に伸ばせる便利なストレッチ。全身が刺激できます。短時間でもいいので頻繁に行うことをオススメします!
ステップ3:ネコモド
かたくなりがちな胸椎の状態をととのえる。
やり方(HOW TO)
①:うつぶせになって、片脚のヒザを曲げる。チェック!ヒザの位置をできるだけ前にセットすると安定しやすい。両手のひらは重ねてあごの下に置く。

②:両手で床を押し、上半身を起こす。ここで深呼吸を1回する。鼻で息を吸い、口で吐く。
③:曲げた脚側の腕をカラダの下から反対側に伸ばし、側頭部を床につけてカラダをねじる。ここでまた深呼吸を繰り返す(鼻で息を吸い、口で吐く)。逆側も同様の手順で行う。
ここが大事!(POINT)
・左右差があるときは、やりづらいと感じたほうを多めに行う。できるだけ力を抜き、呼吸は止めない。
Nakano’s VOICE
コモドストレッチを寝た状態でやるとネコモドになる。股関節を伸ばしつつ、胸椎を整えられます。また、うねった状態で呼吸をして背中と胸を膨らませることで、効率的にストレッチできるはず!
COLUMN
日常的に気をつけるとよいこと① クッション材付きや、厚底スニーカーが流行っていますが、ソールが薄く裸足に近い感覚で歩けるシューズを履くのがオススメ。足裏から地面を感じられ、カラダの重心や軸を認識しやすくなります |
photo : Kenji Fujimoto illustlation : Mami Nagano edit&text : Sonomi Takeo