りんご音楽祭2026 レポート:アルプスの自然と濃密な音楽カルチャーが交錯した松本の秋

澄み渡る秋空と雄大な北アルプスの山並みを望む長野県松本市・アルプス公園。木々の葉が色づき始めるこの広大な丘に、今年もジャンルやシーンの境界を軽やかに飛び越える音が鳴り響いた。アンダーグラウンドなダンスミュージックから熱狂のヒップホップ、先鋭的なインディーロック、そして独自の存在感を放つポップアイコンまでが渾然一体となって共鳴する、唯一無二の野外音楽フェスティバル「りんご音楽祭2026」。

緑豊かな森の中に突如現れるダンスフロアやすり鉢状の地形を活かしたステージ群、地元・松本をはじめ各地のカルチャーが息づくこだわりのフードや出店ブース。変わりやすい山の天候や足元のコンディションすらも楽しむタフで自由なオーディエンスが集い、会場全体には終始アットホームでありながらエッジの効いた心地よいバイブスが充満していた。

都市型フェスとも巨大ロックフェスとも異なる、手作りの温もりと純度の高い音楽愛に包まれた2日間。音と自然と人が溶け合った「りんご音楽祭2026」の熱気と空気感をここに記録する。

ライブレポート:ジャンルの境界を溶かし、アルプスに響き渡った2日間

初秋の澄んだ風が吹き抜けるアルプス公園の各ステージでは、2日間にわたりジャンルやシーンの枠組みを軽やかに超え出る濃密なアクトが繰り広げられた。

そばステージでは、どんぐりずが繰り出す軽快でバウンシーなビートとユーモア溢れるフロウが炸裂し、芝生エリア全体を巨大なダンスフロアへと一変させる。一方、硬質な重低音と鋭利なリリックで会場の空気を一気に引き締めたMFSやMILES WORDのステージは、野外フェスならではの開放感の中にストリートのリアルな緊張感を持ち込み、集まったヘッズを熱狂の渦に巻き込んだ。

バンド勢の存在感も際立つ。ソウルフルなグッドメロディと爽快なアンサンブルで多幸感をもたらした浪漫革命(わさびステージ)や、骨太でソリッドなギターサウンドをアルプスの山並みへと突き刺したDYGL(りんごステージ)。さらに、唯一無二のエンターテインメントと圧倒的な求心力で世代を超えた大合唱を巻き起こした氣志團(りんごステージ)のステージは、まさに祝祭そのものと呼べる圧倒的な熱量を放っていた。

FULLHOUSEなどのDJ陣が先鋭的かつ濃密なグルーヴを紡ぎ続け、掟ポルシェの破天荒なパフォーマンスがフロアに爆笑とカオスを生み出す。メインストリームとアンダーグラウンド、クラブミュージックとバンドサウンドが至近距離で共存し、どこを歩いても刺激的な音に出くわすりんご音楽祭ならではの濃密なライブ体験が展開された。

アルプスの丘を彩るりんご音楽祭 フェススタイル:ファッションスナップ10選

秋の澄んだ空気と豊かな自然が広がるアルプス公園は、自由な感性とカルチャーへの愛が交錯する格好のスタイリングエリアでもある。起伏に富んだフィールドやぬかるんだ足元に対応する本格派のアウトドアギアを軸に据えつつ、ヴィンテージアイテムやストリート感あふれるシルエット、遊び心ある小物使いで自分らしさを表現するオーディエンスたち。会場の心地よい空気感と見事に調和していた、10組のリアルなフェススタイルを記録した。

01|りゅうくさん、じろうさん
落ち着いたトーンのウェアをベースに、個性豊かなヘッドギアやアイウェアでアクセントを効かせたリラックス感あふれるアウトドア×ストリートスタイル。ゆったりとしたパンツに機能的なミニバッグやサコッシュを合わせつつ、総柄ハットやクロシェ風ニットハット、足元のシューズ選びで遊び心をプラス。アルプス公園の豊かな自然に心地よく馴染む、こなれ感抜群のペアコーデ。
お目当て:浪漫革命、MILES WORD

02|もんしさん、なつみさん
目を引くビビッドなイエロージャケットにワイドなデニムショーツを合わせた無骨なストリートスタイルと、クリーンな白のロンTにカットオフショーツ、足元にはタフなレインブーツを合わせた軽快なフェススタイルが好対照なペアコーデ。トレンド感あるシルエットを取り入れつつ、悪路にも対応する実用的なフットウェアでしっかりと固めた、街とフィールドがシームレスに繋がる着こなし。
お目当て:MILES WORD

03|ai satoさん、パッタイさん
トレイルランニング用ベストを重ねた高機能シェルにショーツとハイソックスを合わせたアクティブなスポーティスタイルと、ミリタリーテイストのジャケットにボーダーTやグリーンのバンダナを効かせたクラシカルなストリートスタイル。ギア感のあるアイテム選びとサングラスなどの小物使いが際立つ、都会的なセンスとアウトドアの実用性を巧みに両立させたペアコーデ。
お目当て:MFS

04|michikaさん
あたたかみのあるグレーのフリースジャケットにアシンメトリーな柄スカートを合わせ、マスタードイエローのタイツでポップな彩りを添えた秋のアウトドアスタイル。フロントに配したコロンビアのウエストバッグや足元のタフなトレッキングシューズなど、フェスを快適に過ごすための機能美を備えつつ、カラーバランスの良さが光る着こなし。
お目当て:氣志團

05|チャピンさん
鮮やかなロイヤルブルーのロングスリーブTシャツに、ベージュのワイドショーツを合わせたクリーンなストリートスタイル。上から羽織ったトレイルランニング用ベストやサンシェード付きキャップ、サングラスで機能性を高めつつ、足元には白ソックスとハイスペックなトレイルシューズをセット。アクティブに会場を回るための実用性とスマートな配色センスが光る着こなし。
お目当て:FULLHOUSE

06|リナさん
キャッチーなグラフィックTシャツにくすみカラーのロンTをレイヤードし、黒のスウェットパンツでまとめた抜け感のあるストリートスタイル。黄色の柄ビーニーやアイウェア、足元から覗かせた赤ソックスと白シューズのカラーコントラストなど、随所に散りばめたユニークな小物使いが光る。銭湯カルチャーを発信する「ゆとなみ社」の出店スタッフとしてもフェスを盛り上げる、自然体でカルチャー愛あふれる着こなし。
お目当て:どんぐりず

07|よこさん
イーグルのグラフィックが目を引くヴィンテージライクなロンTに、黒のイージーショーツを合わせた軽快なストリートアウトドアスタイル。キャップとサングラスでラフなこなれ感を演出しつつ、腰元に配したウエストバッグやオレンジのシューレースが映えるタフなトレッキングシューズで機動力をしっかり確保。アクティブに会場を動き回るための実用性と、カルチャー感のあるアイテム選びが絶妙にマッチした着こなし。
お目当て:氣志團

08|二宮奈々さん、たまもさん
花柄のティアードスカートや鮮やかな赤のジップアップジャケットに、頭元を飾るスカーフアレンジを取り入れたレトロで愛らしいヴィンテージライクスタイル。華やかな色柄やリラックス感のあるシルエットで自分たちらしいおしゃれを楽しみつつ、足元はぬかるんだ足場にも対応できるシューズでしっかりとガード。キュートな遊び心とフェスの開放感が絶妙にマッチした、会場の目を引くペアコーデ。
お目当て:DYGL、掟ポルシェ

09|タイガさん、ギンガさん、ミサキさん
カモフラ柄のジャケットや鮮やかなカラーショーツを取り入れた、無骨さとアクティブ感が心地よく調和するストリート×ミリタリースタイル。デニムのオーバーオールが愛らしいお子さんを含め、全員がタフなブーツやレインシューズを着用して足元の悪路対策も万全。サングラスやボディバッグなどの実用的なギアを巧みに効かせた、家族でフェス空間をタフかつスタイリッシュに楽しむグッドサンプル。
お目当て:MFS

10|まこさん、りこさん モノトーンや落ち着いたトーンを基調に、ストリートライクなアイテムを巧みに取り入れた都会派フェススタイル。オーバーサイズのスウェットにワイドカーゴパンツを合わせたルーズなシルエットや、シェルジャケットにスカートとソックスの差し色を効かせたスタイリングが好バランス。キャップやサングラスといった小物使いに加え、足元はレインブーツやタフなシューズで悪路対策もしっかり備えた洗練されたペアコーデ。 お目当て:CHS

雄大な北アルプスを望むロケーションと、信州松本のローカルコミュニティが育んできた手作りの温もり、そして妥協のないブッキングが共鳴する「りんご音楽祭」。都市の大規模フェスとは一線を画すアットホームな距離感のなかで、オーディエンスもアーティストもスタッフも等しく音楽カルチャーを愛し、乾杯を交わす光景が会場のいたるところに溢れていた。変わりやすい山の気候やぬかるんだ足元すらもフェスの一部として楽しむタフで自由な人々とともに、2026年のりんご音楽祭もまた、純度の高い音楽愛と心地よい多幸感に包まれながら最高の余韻を残して幕を閉じた。


写真/折井康弘、平林岳志(grasshopper)

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