オーディオストリーミングサービスSpotifyが、例年、年末に公開する「Spotifyまとめ」。
2023年によく聴いた曲を集めた自分だけのプレイリスト「My Top Songs 2023」では、この1年でどんな音楽を聴いたか、振り返ることができる。
Fine Onlineではアーティストや編集者、サーファー、モデルなど、各業界のキーパーソンにSpotifyまとめから今年1年を振り返ってもらった。
第11回目は、WEBディレクターや音楽イベントのプランナー、渋谷・富ヶ谷にある「biu（バイユー）」など、様々なジャンルで活躍する町田涼が登場。
様々な肩書きを持ち、ソウルカルチャーに精通している彼は2023年、どんな音楽を聴き、どんな日々を過ごしていたのだろうか。
町田 涼
デジタルクリエイティブを主軸に音楽イベントのプランナー、また東京・富ヶ谷の美容室併設型のバー「biu(バイユー)」のオーナーを務める。都市型フェス『ChillCity』を池袋パルコにて共催。
昨年は池袋パルコの屋上を舞台に都市型フェスの主催をしたり、僕がオーナーを務めるバー「biu（バイユー）」をオープンし多くの方と出会う機会があったり、プライベートでは子供が生まれたりと、忙しなく過ごした1年でした。
そんな1年を振り返るSpotifyまとめはネオソウルを中心に、オルタナティブやチルな雰囲気を感じるアーティストなどが多く、よくバーのBGMとしてリピートしていましたね。
トップアーティスト
トップアーティストに入ったSAULTは、UKでそれぞれソロで活動しているアーティストが集まっているバンドで、ジャズヒップホップパンク、エクスペリメンタル、オルタナなど様々なジャンルを縦横無尽に行き来するので、作業アルバムとして飽きないですし、何回もリピートする楽しさがあるんですよね。アルバムアートワーク含めて毎作完成度が高いので、いつもリリースを心待ちにしているアーティストです。
イ・ハイは韓国のディーヴァともいえるスターで、僕は韓国の音楽シーンが好きでずっと聴いてきたのですが、その中でもずば抜けて歌が上手いアーティストです。最近目立ったリリースはありませんが、今年もよく聴きましたね。
ダニエル・シーザーは1stアルバムからずっと聴いていて、大好きなアーティストです。先日国際フォーラムで来日ライブをしたんですけど、観に行く機会があって。彼のファンとしては最高の一言でした。バンドも演出もミニマルなのに、歌に対する気持ちとか祈りがダイレクトに伝わってくる歌唱力があるんですよね。歴史に名を刻むアーティストだと思っています。そんな彼の今のパフォーマンスを生で体感できて、感動しましたね。良く聴くアーティストで毎年上位に入ってきて、きっと来年もずっと聴いているんだろうなと思います。
トップソング
ZINくんは、僕がNYにいたときに一緒に過ごしたっていうエピソードもある少し縁のあるアーティストで、当時僕が音楽活動をしていた頃にお互いネオソウルが好きで意気投合して、そこから繋がりがある方です。今年は僕が共催している『ChillCity』にも出てもらって、ライブもかっこよかったですし、来場したみんながシンガロングする場面があって、純粋に感動したのを覚えています。どんどん大きくなっていく彼の姿にいつも勇気をもらっています。
今年池袋パルコで開催した『ChillCity』は、雨が降って開催を危ぶまれる瞬間もありましたが、急遽ステージにテントを立てたり、お客さまがレインコートを着ながらも最前線で楽しんでくれたり、なんとか乗り切れました。何よりアーティストの皆さんがすごく良いパフォーマンスをしてくれたので、結果的に良いフェスにすることができましたね。
今年はバー運営を常にしながら、上半期にフェスを開催したり、下半期は子供が生まれたりと、とにかく今を乗りこなすのに必死でしたが、充実した1年になったと思います。
来年もきっと忙しく過ごすとは思いますが、デジタルクリエイティブをはじめ、biuを軸にしたプロダクトのリリースなどクリエイティブ面は今年以上に力を入れていきたいですね。また、今も昔もソウルミュージックが僕の中心にあるので、来年もたくさんの良いアーティストに出会っていきたいですね。
写真・文／高山 諒
