名古屋にクルマ&海好きが集結! ヴィンテージカーの数々に圧巻したマリンGPに密着。

秋晴れの週末。名古屋の市街地にヴィンテージカーやクラシックカーなど、こだわりのクルマとそのオーナーたちが集結。普段はなかなかお目にかかれないクルマの数々に目を奪われていると、始まったのはマリンGPと呼ばれるラリーレースだった。

今回のスタート地点となったNTP名古屋トヨペット本社駐車場に集まった参加者とこだわりの愛車たち。
 
マリンGPとは、ヒストリックカーミーティングという大会を前身とする市街地ラリーのイベント。有名なラ・フェスタ ミッレミリアなど、ヴィンテージカーやクラシックカーのみが出場できるレースが多い中、老若男女問わず、ファミリーでも楽しめるイベントを目指して生まれ、今年で早くも3回目を迎えたレースだ。

この大会への出場資格は単純明快、“クルマ好きであること”と“海好きである”こと。それだけ。市街地を走るラリーレースといえども、競い合うのはスケジュールの一部で行われるPC競技と言われる部分のみ。残りは、参加者全員で楽しく走ることを目的としている。

トヨタの名車、S800(65年式)と2000GT(67年式)が並ぶ。その奥もトヨタ スープラ70だ(91年式)
 

PC競技については後ほど触れるとして、楽しく走ることを目的としながらも順位をつけている理由としては、何にもないとただのツーリングになってしまうから。競技は競技でしっかりやって表彰して、それ以外の部分では順位関係なく全力で楽しむ。そういうイベント作りを心がけているそうだ。

全体の流れとしては、1台ずつクルマの紹介を受けながらスタート。市街地をゆっくりと走りながら、1箇所目の集合場所、PC競技の会場となっている幸田サーキットへと向かう。ここで順位を決定するPC競技を行い、終了したクルマから随時次の集合場所へ移動していく。続いて集まったのは、海が目の前にある宮崎漁港だ。ここでおいしいランチを全員で頂きながら選手同士の交流を計り、たっぷりとコミュニケーションをとったところで最終目的地のNTPマリーナりんくうに向かうという流れ。

ちなみに、マリンGPという大会名からも分かる通り、海をテーマに掲げているイベントなので、ランチタイムが海の見える場所となっている。


ランチタイムの集合場所となった吉良・宮崎漁港。海やヤシの木があり、海をコンセプトとしているマリンGPらしいランチ場所だった
 

走っている最中も海の近くを通ることもあるのだが、防波堤があって海が見えないことも多く、食事などゆっくりできる時間を海の近くにすることで、いつもと違う環境を楽しんでもらいたいという思いで選ばれた場所なのだ。


漁港に停泊した船の中にランチタイムの豪華な食事を用意
 

ちなみにこの大会は、今回を含めて過去3回の開催がすべて名古屋で行われている。とはいえ、このマリンGPは今後大きくなっていく可能性を秘めているという。というのも、実際にはコロナ禍で実現しなかったようだが、金沢や滋賀で開催しようという話もでていたそう。開催期間も今年まではコロナの影響も考えて1デイで開催だったが、来年以降は2デイ、3デイの大会にまで規模を拡大していきたいと考えているとのこと。

1番最初にスタートを切る、ゼッケン1番のライレー。車体にはミッレミリアのステッカーなども貼られていた
 

では、ここで総合順位を決めるPC競技について簡単に説明しよう。PCはヴィンテージカーレースの盛んなイタリアなど、世界ではメジャーな競技。ミッレミリアなど、有名な世界中のレースで共通して行われている種目だ。30mを6秒きっかりで走るみたいなお題が出され、6.00を叩き出すような人が優勝となる。ここで重要なのは、スピード競技ではないこと。だからこそ、古いクルマから現代のクルマまである意味、平等。もちろんドライバーの年齢や性別も順位に影響しない。そういう競技なのだ。

ムータ・マリンの山北社長がハンドルを握るアストンマーチン ラゴンダ
 


337台しか生産されていないという希少なトヨタ2000GTも参戦。(67年式)
 

ゼッケン2番は九州から参戦したという山本さん・小畑さんペア。37年式のライレーを乗りこなす。PC競技中の存在感も抜群だ
 

今回のマリンGPでは全部で8PC(回)開催された。通常は3〜5PCくらいが標準的な回数なので、非常に多い方だ。どうやら、試合会場に幸田サーキットというレース場を使用したことにより、連続で8PC分計測することができたため、思い切った回数になったという。

今回のPC競技は珍しく全部で8PC(セクション)で競われた。1つ目は100m12秒で走る
 

ではいったい走る長さとか秒数は、どうやって決めているのだろうか?
主催者側の経験に基づいて設定しているようだが、重要なのは、クルマを痛めない、女性の運転でも間に合う、しっかりと楽しめる、それを意識した距離と時間。ある程度平等の中で、どんなクルマでも戦えて、その中で順位がつけられるということを1番大事にしている。

総合3位になった多田さん・小川さんペア。愛車はポルシェ356PreAスピードスター(1989年式)
 

ゼッケン16は65年式のトヨタS800。秋田さん・滝本さんペア
 

ジャガー Eタイプは(69年式)
 

ゼッケン60は、島田さん・光田さんペアが乗るフェラーリ ローマだ
 

マセラッティは他にも出場していた。こちらは71年式のギブリ スパイダー
 

そんな大会に出場するにあたっては、前述した通り、クルマ好きであればOK。
クルマ自体の車種や年式に縛りはない。
ただ、現代のクルマばかりになってもつまらないので、70年まで(クラシック)が20台、70年〜2000年まで(ネオクラシック)が20台、2000年〜現代までが20台とバランスをとっているそうだ。なお、今回の出場台数は60台。

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(1枚目)2位を獲得したゼッケン1番のライレー。(2枚目)マセラッティが2台並ぶ、しかも78年式カムシンの色違い。ちなみに一番奥は67年式ランボルギーニ イスレロ 赤は薫さん・久保さんペア。青は伊佐治さん・市川さんペア。(3枚目)72年式スカイラインGT-R ドライバーは小菅さん。(4枚目)82年式 DMCデロリアン。服部さんが1人で参戦
 

エントリー費用は1台あたり14万円。食事もオフィシャルウエアなど、すべて込み。新たにかかるのは高速代くらい。

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(1枚目)スタート地点には協賛していたムータ・マリンのブースも。参加者全員に、特製のアウターやキャップなどが配られた。(2枚目)サファリとムータ・マリンの限定ポロシャツは現地でも販売。※20着限定でムータのオンラインで購入することもできる。(3枚目)優勝トロフィーはティファニー製
 

ちゃんとした大会でありながら、さまざまな車種が出てくるという大会自体が非常に珍しく、出るのも厳しい大会が多い中で、間口を広げている大会のひとつなのだ。まるで異種混合戦みたいな大会。それがマリンGPだ!

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((1枚目)97年式のフェラーリ モンディアルTでゴールをしたのは、小出さん夫妻。後部座席にはお子様も。家族で楽しく参戦していた。(2枚目)ゴール地点となったNTPマリーナりんくう。モデルは違うが、同じ赤のマセラッティが2台揃ってゴール。(3枚目)83年式のトヨタ86レビン。ムータ仕様のデザインがとにかく目立っていた。(4枚目)※こちらは取材車両みたいです

リザルト

1位はゼッケン7番【トライアンフTR3(1957年式)】小田さん・菅野さんペア(総合ポイント3680pt)。2位はゼッケン1番【ライレー 12/4 スペシャル(1934年式)】山本さん・布留さんペア(総合ポイント2200pt)。3位はゼッケン6番【ポルシェ356PreAスピードスター(1955年式)】多田さん・小川さんペア

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