1足のスニーカーに法外なプレ値がつく昨今。そのなかで、ヴィンテージコンバースに目を向ける人が増えている模様。バッシュ系が隆盛する一方で、トレンドがクラシック系に回帰しつつある。しかし、ヴィンテージのコンバースが人気な理由は、単にそれだけではないらしい。そこで、ヴィンテージスニーカーを取り扱う専門店、ソーマ下北沢オーナーにその真意を聞いてきた。
soma shimokitazawa 店長
徳永勝文さん
instagram:@somashimokitazawa
時を経てもリアルに履ける
それがコンバースの魅力。
斬新な新作を中心に牽引されてきたスニーカーブーム。ここにきて、クラシックなタイプに回帰する人が増えてきた。オールスターやワンスターもそのひとつだが、新品と同時にヴィンテージ市場も実は活況だ。そこには、コンバースならではの要因があると徳永さんは語る。「一般的にスニーカーは、古くなればなるほど加水分解などによって履けなくなります。しかしコンバースのオールスターなどは、ソールがポリウレタンではなくラバー製。60年前のものでも履けるんですよ」。
硬化している場合は割れてしまうが、加水分解を起こすポリウレタンソールと比べれば、履ける状態である確率は格段に高い。昨今の復刻ブームはコンバースも例にもれずだが、やはりヴィンテージの存在感は格別だ。「生地が厚く、さらにラバーの質もいい。最近は古着が再びブームですが、味の出たウエアにはやはりヴィンテージの方が相性抜群ですよね」。
まさに永久定番といったところだが、年代によって魅力は異なる。「質的には70年代のチャックテイラーが最高峰。でも、価格や状態的には80年代のオールスターが手に入りやすいでしょう。そして色柄で遊ぶなら90年代。その中でも米国製を選んでほしいですね」。
30〜40代の大人にとって90年代とは最近のことのように思えるが、ここ10年ぐらいで価格は倍近くに急上昇。世界的に価格が上がっているとのことで、マイサイズがあれば即買っておくのが賢明だ。ちなみにヴィンテージに詳しい徳永さんは、現行のコンバースとも密接な関係性がある。「コンバースジャパンとはたびたび情報交換していて、復刻を企画する際はヴィンテージを購入してもらうことも」。
まさに温故知新。社外であっても詳しい人から情報を手に入れる。そんな姿勢がコンバースに永久定番が多い由縁なのかもしれない。
\ヴィンテージコンバース8足をピックアップ!/
90年代ストリートにはやっぱりこの柄が似合う!
個性的な色柄が多く展開された’90s オールスターを代表する星条旗柄。比較的玉数も多く、ゴールデンサイズでも1万円台だ。【USサイズ:10.5】1万7490円(ソーマ下北沢)
世界的に高値を更新中、今後も争奪戦は必至!
質の高い’70s は総じて価格も高い。ゴールドスウェードのワンスターの場合、ここ数年で価格はうなぎ上りに。デッドとなれば納得。【USサイズ:9】43万7800円(ソーマ下北沢)
いまだ根強い柄の代表格、現行でも人気のカモフラ。
’80s USA ALL STAR HI CAMO
80年代オールスターにおける象徴的存在にして、90年代ストリートで人気を博したカモフラ。柄がランダムなのも、人気の理由。【サイズ:9・1/2】8万7780円(ソーマ下北沢)
コンバース好きなら、いつかは手にしたい秀作!
’70s USA CHUCK TAYLOR HI
コンディションのよいものは、もはや枯渇状態。だが、アッパーもソールも、質の高さは70年代が最高峰だ。【サイズ:12】7万6780円(ソーマ下北沢)
こんな変わり種こそ、90年代ならでは。
’90s USA ALL STAR LO LEATHER
当時のハイテクスニーカーを想起させるような靴ひもがサイドにあるデザイン。日本企画として登場したという。【サイズ:9】3万8280円(ソーマ下北沢)
ほどよいフェード感がヴィンテージの醍醐味!
’70s USA JACKSTAR
70年代製ながらカラーもしっかり残る逸品。かなり高額ではあるが、10年後には倍額になるかも!?【 サイズ:12・1/2】32万7800円(ソーマ下北沢)
スウェード系筆頭人気はグレーで異論なし。
’70s USA ONESTAR
人気の高いグレースウェード素材。ソールに厚みがあるのがこの年代の特徴で、それゆえ耐久性が高い。【サイズ:12】10万9780円(ソーマ下北沢)
一歩踏み出すなら、こんな異素材もあり。
’90s USA ALL STAR LO CORDUROY
これも90年代の珍品系。コーデュロイでさらにマルチカラーというユニークなデザインが目を引く。【サイズ:10・1/2】1万7490円(ソーマ下北沢)
〈お問い合わせ先〉
ソーマ下北沢
TEL:03・3481・0307
写真/丸益功紀(BOIL)、薮内 努(TAKIBI) 文/安岡将文