バスケットボールシューズから始まったエア フォース 1。今やスポーツのみならず、音楽や伝統文化など、さまざまなカルチャーと密接に結びつき、多様なモデルを展開している。その歴史をひも解くために、初代から現在までの変遷を日本一のコレクターとともに見ていこう。
教えてくれたのは……?
武井祐介さん
これがオリジナル!
1982年
ファーストモデルはアッパーのベンチレーションホールがなく、サイドにメッシュパネルを配置し通気性を確保。間もなく現行のスタイルに仕様を変更し、3カラーをリリースした。
ローカットも!
1982年の誕生翌年にはローカットも発表された。オリジナルは82~84年にかけて展開され、一度生産を終了。その後86年にはナイキとしては史上初の“復刻”を遂げたとされる。
初のオールホワイト!
1995年
規格統一!
2007年
25周年のこの年には、ソールの形状やアッパーのパネルなど、シルエットの規格を統一。モデル名に’07と記載されるのは、当時のディテールが現代にまで受け継がれている証だ。
AF1現在系。
2021年
現在、モデル名末にアップデートを意味するLV8(エレベート)と付くものも。規格統一から大きく変わりはないが、ステッチ幅などに多少の変化が。
40周年を目前に控え、
ムーヴメントが始まる。
「2022年にエア フォース 1は誕生から40年目を迎えます」と武井さん。「世界初のエアを搭載したバスケットボールシューズとして誕生したんです。当時、モーゼス・マローンというNBA選手が広告塔となり、バスケ界に浸透していきました」。しかし当時、今のイメージであるトリプルホワイトは発売されていなかった。「初めてアメリカでトリプルホワイトが出たのが90年代半ば。初代の発売から10年以上経ってのことです。ただし、日本ではあまり見かけなかった。ようやく市民権を得てきたなと思ったのが2000年代半ばごろ。ヒップホップなどブラックカルチャーに落とし込まれたのがきっかけだと思います。フレッシュな白を履き、少しでも汚れたら歯ブラシでこすって新品同様にして履くという」。特に2007年の25周年にはナイキ自体も強く売り出した。「ディテールの規格が統一されたんですよ。シンプルなホワイトを履けば間違いない、なんて世間から認められていったと思います。ただそれにとどまらないのがナイキ。その後エア ジョーダンとのフュージョンなども出て。ファンを魅了し続けてくれます。きっと40周年にもおもしろいモノが用意されているはず。復刻や新型などに期待ですね」
写真/丸益功紀(BOIL)