FUJI ROCK FESTIVAL ’25:42組60名のファッションスナップ&編集部的フェスごはんベスト5、そして音楽レポート!

2025年7月25日〜27日の3日間、新潟・苗場スキー場に数万人の観客が集まったFUJI ROCK FESTIVAL ’25。音楽はもちろん、そこに集う人々のファッションや食、過ごし方のすべてがフェスを形作っていた。今年も会場には海外からの来場者、ペアや仲間同士、そして一人で音に没頭する人まで、多彩な姿があった。

編集部は3日間を通して42組60名をスナップし、フェスごはんを食べ歩き、そしてステージに耳を澄ませた。その記録から見えてきたのは「音楽を楽しむリアルな形」。ここではその姿を、スナップと食と音で振り返っていく。

60人のスナップで見る、フジロックのリアル!

今年のスナップでは、海外から訪れた来場者や男女ペア、そしてソロやグループまで、幅広いスタイルを収めることができた。機能性あるアウトドアブランドに古着やスポーツブランドを組み合わせるなど、自然体で楽しむ姿が多く見られたのが印象的だった。全体を通して感じられたのは「街とフェスをシームレスに行き来するファッション」。奇抜さよりも、自分らしさと動きやすさを両立させたリアルな装いが苗場を彩っていた。

ソロ&グループ編(01–24)

01|金城拓馬さん
リラックス感のあるノースリーブに、カーゴショーツを合わせたアウトドアらしい装い。首元に掛けたタオルや小物づかいでアクセントを効かせつつ、フェスならではの機能的なレイヤリングを取り入れていた。自然体の雰囲気が、音楽を心から楽しむ姿を想像させる。
お目当て:坂本慎太郎

02|丸山滉貴さん(MURABANKU)
「ROOKIE A GO-GO」に出演したバンド・MURABANKU。の丸山滉貴さん。全身ホワイトで、トップスはヴィンテージシャツ。潔い装いが、逆に存在感を引き立てる。首元のオレンジ×ブラックのスカーフを効かせることで、シンプルながらも独自のムードを漂わせていた。

03|かっつんさん
透け感のあるアノラックが印象的。涼しげな素材感で夏フェスらしい空気をまとう一方、ショーツとスポーツサンダルでアクティブに仕上げた。ナチュラルな色味のレイヤードが軽やかさを演出し、シンプルながら存在感のあるフェススタイル。
お目当て:FRED AGAIN..

04|ミックさん
ジュンヤワタナベとナイキのコラボTシャツを主役にしたスタイリング。ストライプ柄がポップながらも洗練され、ショーツやスニーカーとの相性も抜群です。鮮やかなイエローのシューズが全体を軽快にまとめ、フェス会場でも一際目を引く存在感。
お目当て:FRED AGAIN..

5|成香さん
トップスのEN NEUMEにショーツを合わせ、足元は雨対策も兼ねたレインブーツ。クラシックなスカーフづかいがアクセントになり、機能性と遊び心のあるスタイリングに仕上がっている。
お目当て:山下達郎

06|高橋征大さん
ナイキのパンツがひときわ目を引くコーディネート。ボリューム感のあるシルエットを活かしつつ、ノーカラーのデニムシャツで上半身をすっきりまとめていた。動きやすさだけでなく、全体の配色やシルエットのバランスにこだわりを感じさせるスタイル。
お目当て:FRED AGAIN..

07|大林慎太郎さん
オレンジのキャップを後ろ被りで差し色にしつつ、コロンビアとフジロックのコラボTシャツを主役に。ベストとショーツで軽快にまとめながら、ロングソックスとゴツめのシューズでアウトドア感を強調。夏フェスらしいアクティブなスタイルに。
お目当て:山下達郎

08|いがらしさん
存在感のある総柄シャツは古着でセレクト。ネイビーのショーツとアウトドアシューズを合わせて、フェスらしい動きやすさと個性を両立。首から下げたカメラもスタイリングの一部として効いている。
お目当て:MEI SEMONES

09|長谷川よしえさん
タンクトップにワイドパンツを合わせ、アクセサリーとアフロヘアでフェスらしい自由な雰囲気を全開に。素足にサンダルという抜け感も、夏のフィールドにぴったり。肩の力が抜けたスタイルの中に、音楽と空気を楽しむ余裕が感じられる。
お目当て:Suchmos

10|フジさん
古着のプリントTシャツを主役に、ショーツとスニーカーで軽快にまとめたスタイル。首元のスカーフづかいがユニークで、強い日差し対策もしながらアクセントとしても機能している。アウトドアと街の感覚がほどよく混ざった、フェスらしいリラックス感のあるコーディネート。
お目当て:山下達郎

11|ハシモトヤスヒロさん
古着のフットボールTシャツをざっくり着こなし、ゆるめのカーゴパンツと合わせたリラックススタイル。腰元の赤を差し色にして、シンプルな中にも遊び心を効かせている。キャップとタオル使いで日差し対策も万全、実用性と雰囲気を両立したフェスコーデ。
お目当て:山下達郎

12|マオさん
トップスにピルグリム サーフ&サプライのTシャツを選び、ブラウンのショーツとサンダルでリラックス感を漂わせた装い。バケットハットやウエストバッグでアウトドアらしい実用性を押さえつつ、ネイビーの手ぬぐいがアクセントに。落ち着いたカラーリングでまとめながら、フェスらしい軽快さを感じさせるスタイル。
お目当て:山下達郎

13|リョウタロウさん
トップスにピルグリム サーフ&サプライのシアーな長袖を合わせ、軽快なショーツとルナサンダルで抜け感を演出。キャップやサングラスを取り入れて日差し対策も万全にしつつ、バックパックでフェスらしいアクティブさをプラス。都会的なムードとアウトドア感が絶妙にミックスされたスタイル。
お目当て:山下達郎、離婚伝説

14|リュウさん
アイスブレーカーのトップスにショーツを合わせた軽快なコーディネート。足元はティンバーランド×ビームスのブーツでしっかりと存在感を出しつつ、アウトドアらしい堅実さもプラス。オレンジのキャップやホワイトフレームのサングラスが差し色となり、シンプルな中にも遊び心が漂う。
お目当て:山下達郎

15|飯島さん
自然体なアウトドアスタイルで登場。グレーのTシャツにショーツを合わせ、腰まわりにはフェス定番のウエストポーチを装備。首にタオルをかけたリラックスしたムードの中にも、足元のシューズがしっかりとしたアクティブ感を添えている。サングラスとキャップで日差し対策もばっちり。
お目当て:山下達郎

16|大野BOSSさん
存在感抜群のサマースタイル。メッセージ入りタンクトップに、ゆったりとした白パンツを合わせ、リラックス感の中に芯の強さを漂わせる。タンクトップはディスマン ヴィンテージで手に入れた一枚。大きな麦わら帽とラウンドサングラスがアクセントとなり、フェス会場でひときわ映えるスタイリングに。
お目当て:山下達郎

17|山ちゃんさん
古着のプリントTシャツをゆるく着こなし、タイガーカモ柄のパンツで遊び心をプラス。麦わら帽とビーサンで抜けをつくりつつ、掛けた手ぬぐいが程よいアクセント。夏のフィールドに映えるリラックススタイル。
お目当て:山下達郎

18|オカピさん
シュプリームの色柄シャツを主役に、パタゴニアのショーツで軽さを出したミックススタイル。麦わら帽とラウンドサングラスで雰囲気をまとめ、無骨な足元が全体を引き締める。肩の力が抜けた配色と素材感で、真昼の会場でも涼しげなムード。
お目当て:EZRA COLLECTIVE

19|藤間將行さん
シュプリームのフォトTをさらりと着こなし、光沢感のあるカーゴショーツで存在感を出したスタイル。サロモンのシューズと長めのソックスがバランスを整え、キャップの上から巻いたバンダナが実用性もアクセントも兼ねている。ラフさの中にストリートの匂いを感じさせる着こなし。
お目当て: FRED AGAIN..

20|トモ ユウキさん
Dinosaur Jr.のバンドTを主役に、ミリタリーテイストのカーゴショーツを合わせたラフなスタイル。足元はサンダルで軽快にまとめ、フェスならではのリラックス感が漂う。キャップや小物で機能性も確保しつつ、バンドTの存在感で音楽好きらしさをしっかりアピール。
お目当て: FRED AGAIN..

21|MASAKIさん
ワコマリアのアロハシャツを羽織り、タンクトップとショーツでラフにまとめたスタイル。足元はサンダルで軽快さを出しつつ、キャップやサングラスで存在感を強調。全体に余裕のある雰囲気ながら、柄シャツがアクセントとなりフェスの熱気にしっかり馴染んでいる。
お目当て:BARRY CAN’T SWIM

22|ユーリンチーさん、セイカさん、チュウセイさん、ジュンさん
リラックスしたTシャツやシャツに、ショーツやワイドパンツを合わせた4人組。色使いやシルエットはそれぞれ異なるのに、どこか統一感があるのはフェスを楽しむ空気感ゆえ。サングラスやキャップで日差しをかわしながら、ピースサイン。仲間と過ごす時間そのものがファッションの一部になっているよう。
お目当て: FOUR TET

23|エサキさん
古着のTシャツにワイドなブラックデニム、足元はユニークなフォルムのシューズ。ラフなスタイルが夏フェスらしい。シンプルながらも小物づかいに個性が出ていて、ステージへと駆け出す姿が目に浮かぶ。
お目当て:FOUR TET

24|宮内はるなさん、若月かんなさん
宮内さんはベーシックなアイテムを軸にしながらも小物づかいで存在感を出し、若月さんは柄バンダナを取り入れてコーディネートにアクセントを効かせている。それぞれ異なるアプローチながら、並んだときに自然なバランスが生まれているのが印象的。肩の力を抜いたスタイリングが、フェス会場の空気によく馴染んでいた。
お目当て:LITTLE SIMZ、サンボマスター

男女ペア編(25–35)

25|タカダさん、トミさん
タカダさんはグリーン×ホワイトのボーダーシャツにナイキのショーツ。首元のスカーフとバケットハット、カメラストラップで旅感を演出しつつ、足元はサロモンで歩きやすさを確保。トミさんはレースの白トップスにカーキのワイドパンツ。バケットハットとボディバッグで動きやすくまとめ、ミッフィーのチャームとボトルがアクセント。
お目当て:HYUKOH & SUNSET ROLLERCOASTER

26|小山新也さん、サヤミさん
小山さんはチェックの半袖シャツにベージュのショーツ。サンハットにタオルをインして日差しをしっかりガードしつつ、ウエストバッグを使いアウトドア感を演出。サヤミさんはゆったりした白Tシャツに、タイダイ柄ロングスカートを合わせてリラックス感を演出。どちらも機能性とフェスらしい自由さを両立した装い。
お目当て:HAIM、山下達郎

27|長谷川さん、土田さん
長谷川さんはストライプ柄の開襟シャツにホワイトのワイドパンツを合わせ、麦わら帽子で夏らしさを演出。頭にはバンダナを巻き、日差し対策とアクセントを兼ねたフェス仕様。土田さんは透かし編みのクロシェワンピースを主役に、インナーのタンクトップとワイドパンツをレイヤード。ナチュラルながら存在感あるスタイルで、フェスの開放感にマッチしていた。
お目当て:Summer Eye

28|しょーたさん、あつみさん
しょーたさんは古着のシャツにパープルのショーツを合わせ、足元はサンダルで軽快に。ラフなスタイルながら、キャップやバッグの小物使いでアクセントを効かせていた。あつみさんはオレンジブラウンのリブタンクトップに、ジップオフ仕様のカーゴパンツを組み合わせ。アウトドアシューズを合わせ、実用性とスタイリッシュさをバランス良くまとめていた。
お目当て:FRED AGAIN..、HYUKOH & SUNSET ROLLERCOASTER

29|たつやさん、あかねさん
たつやさんはグラフィックが印象的なTシャツに、淡いブルーのワイドデニムを合わせたロックな装い。キャスケットとロングヘアの組み合わせで、音楽カルチャーの匂いを漂わせていた。あかねさんはリラックス感のある黒のワンピースを基調に、ブーツで全体を引き締め。スカーフをヘッドアクセとして取り入れ、フェスらしい遊び心を感じさせるスタイルだった。
お目当て:VULFPECK、井上園子

30|ハルさん、マシュさん
ハルさんは深い赤のタンクトップに、メッシュベストをレイヤード。ショートパンツと鮮やかな赤のラバーブーツを合わせ、アウトドア仕様ながらも女性らしい色使いが印象的だった。マシュさんはノースリーブのブラックトップスにショーツを合わせ、シンプルにまとめつつも、パープルのソックスでアクセントを加えていた。お互いにハットを取り入れ、炎天下でも快適に過ごせる工夫が光っていた。
お目当て:FRED AGAIN..

31|ハヤトさん、コトハさん
ハヤトさんはTシャツに極太のホワイトパンツを合わせ、頭には赤のバンダナを巻いた印象的なスタイル。サングラスやコンパクトなショルダーバッグで個性を強調していた。コトハさんはストライプのトップスとデニムスカートをコーディネート。足元はハンターのブーツでフェスらしい実用性を取り入れつつ、野外フェスらしい雰囲気を漂わせていた。
お目当て:FRED AGAIN..、CA7RIEL & PACO AMOROSO

32|イシバシコウヘイさん、ユーミさん
鮮やかなオレンジのキャンバーのTシャツに、マウントレイニアデザインのベストをレイヤードしたイシバシさん。存在感のある柄パンツとサンダルを合わせ、リラックス感とアウトドアらしさを両立していた。ユーミさんはバラのグラフィックが印象的なTシャツにホワイトパンツを合わせ、バンダナを差し色に。シンプルながらも遊び心を効かせたコーディネートが光っていた。
お目当て:STUTS

33|mayuさん、yusukeさん
mayuさんはユーズドのスカーフを頭に巻き、落ち着いたトーンのセットアップ風コーデを完成。肩から下げたスノーピークのバッグにはキーホルダーを添え、遊び心ものぞかせていた。yusukeさんはブルーのショーツにライトブルーのTシャツを合わせ、足元はキーンでしっかりと。お揃いのスカーフアレンジが二人のスタイルをリンクさせ、フェスらしい仲の良さが際立っていた。
お目当て:VULFPECK

34|川崎さん
ボーダートップスにラバーブーツを合わせた女性は、紫のシャツを腰に巻いてアクセントに。男性は黒のロングスリーブとショーツにレギンスを合わせ、全身をモノトーンで統一。シンプルながらも機能性を意識した装いで、フェスを楽しむ二人の落ち着いた雰囲気が伝わってきた。
お目当て:山下達郎

35|Masahikoさん、nanaさん
Masahikoさんはゆったりとした総柄トップスにショーツを合わせ、手ぬぐいで夏フェスらしいリラックス感を演出。nanaさんはストライプのジャケットとショーツをセットアップ風に着こなし、黒のタンクトップと小物で引き締め。二人ともサングラスで統一感を出しつつ、それぞれの個性が際立つペアスタイル。
お目当て:VAMPIRE WEEKEND

インバウンド編(36–42)

36|コ・ハンさん
トップスはオークリーのTシャツ。ルーズなパンツにフェス仕様のサンダルを合わせ、リラックス感のある装いに。帽子にタオルを巻いたアレンジも実用的で目を引いた。

37|クンさん
キャップとベストを取り入れたアウトドア寄りのスタイル。ブラックのショーツにスニーカーを合わせ、軽快にフェスを楽しむ姿が印象的。小物使いで機能性と遊び心を両立させていた。
お目当てのアーティスト:HYUKOH & SUNSET ROLLERCOASTER

38|キング・サントさん
ベストを主役に、シャツとショーツを合わせた実用性重視のスタイル。日差しを避けるためのキャップがフェスならでは。サングラスと無骨なスニーカーで全体をまとめていた。
お目当てのアーティスト:VAMPIRE WEEKEND

39|ベ・ジフンさん & キム・イェナさん
おそろい感のある白トップスが爽やかなカップルスタイル。ジフンさんはゆったりTシャツとショーツにサンダルでラフにまとめつつ、帽子とサングラスで紫外線対策も抜かりなし。イェナさんはタンクトップとカーゴパンツを合わせ、バッグでフェスらしいアクティブ感をプラス。二人の笑顔が、フェスの開放感を体現していた。
お目当てのアーティスト:FRED AGAIN..

40|ハリボーさん & コーリーさん
ハリボーさんはシアーなパープルシャツに同系色のショーツを合わせ、個性的ながらもフェスの空気に映えるコーディネート。ピンクキャップとスニーカーもトーンを揃え、全身でカラーを遊んでいた。コーリーさんはグラフィックTシャツにフラワー柄のショーツと、リラックス感あふれる組み合わせ。二人並ぶとユーモアと自由さが一層際立ち、楽しげなエネルギーが伝わってきた。

41|ゼラレムさん
グリーンとホワイトのストライプシャツにブラックのショーツを合わせ、夏らしく爽やかな装い。足元はスニーカーでしっかりとフェス仕様に。サングラスとナチュラルなヘアスタイルも相まって、リラックス感と存在感を両立させていた。
お目当てのアーティスト:山下達郎

42|ケウィさん、ソロさん
ケウィさんはタイダイ柄のトップスにワイドなグレーのパンツを合わせ、リラックス感と華やかさを同居させたスタイル。フェスの開放感をそのまま体現するような雰囲気が魅力的だった。ソロさんはアディダス テレックスのベストを中心に、カーキのショーツと機能的なバッグを組み合わせ。動きやすさと実用性を意識した装備で、アウトドア慣れを感じさせる。

編集部的フェスごはんベスト5

音楽の合間に楽しむ食事もまた、フジロック体験の大切な一部だ。今年は胃袋を満たすだけでなく、記憶に残る一皿が数多くあった。編集部が実際に味わい、強く印象に残った5品を紹介する。

森のハイジカレー・全部のせ
さすがのインパクト。ボリューミーなカツに加え、彩り豊かな野菜が盛られ、特にズッキーニの旨さが光った。スパイスと夏野菜の組み合わせが、真昼の腹ごしらえにぴったり。
越後もち豚串焼き
小腹が空いたときについ並びたくなるフジロック名物。炭火で焼かれたもち豚は噛むほどに甘みが広がり、片手で食べられる手軽さも人気の理由だ。ステージ移動の合間に多くの観客が頬張っていた。
苗場食堂のきりざいめし
こちらもフジロックで欠かせないごはんの一つ。納豆に刻んだ野菜や漬物を混ぜ合わせる新潟の郷土料理・きりざいが白いごはんに乗り、さっぱりとした味わいが体に染み渡る。特に朝の時間帯にぴったりで、地元の風を感じられる一杯だった。
サカノウエユニークの中華そば
深夜のオアシスエリアで行列ができていた名物。鹿児島の醤油を使ったスープは飲み過ぎたカラダを優しく包み込み、細めの麺と絡んで一気に完食してしまう。深夜のラーメンならではの幸福感が味わえた。
タコとケンタローのたこ和尚
刻んだ沢庵とマヨネーズを和えた具材をのせたたこ焼き。ポリポリとした食感が楽しく、ビールとの相性も抜群だった。小腹を満たすちょうどよさと遊び心あるアレンジで、多くの観客が立ち寄っていた。

新たな音の出会いに感謝。フジロック’25音楽レポート

今年のスナップを取材していると、アンケートに同じ名前が何度も並んだ。FRED AGAIN..、HYUKOH&SUNSET ROLLERCOASTER、VULFPECK……。42組の声から見えてきたのは、踊れるビートと揺れるギターの両立を求める空気だ。会場では軽いフットワークの装いが目立ち、夜に向けて体力配分を意識する動線も当たり前になっている。そんな体験の中心に、今年のラインナップが見事にハマっていた。

まずは編集部も大注目だったHYUKOH&SUNSET ROLLERCOASTER。静けさと爆発を自在に行き来し、観客を一気に引き込んだ。声が重なる瞬間に広がる熱は、彼らが長く支持されてきた理由を改めて感じさせる。SUNSET ROLLERCOASTERの持つジャジーでメロウな音色と、HYUKOHの持つ洗練された音が交差し、GREEN STAGEの大自然も相まってここでしか体験できないライヴとなった。その演奏は、まさにアジアから生まれるロックミュージックの成熟といえよう。

BALMING TIGERは破格の存在感を見せた。奔放なリズムと鋭いラップが交錯し、遊びと実験の間を縦横無尽に駆け抜ける。客演も絡み合ってステージも客席も爆発的な熱気に包まれた。SILICA GELは重厚なギターと実験的な構成で、聴く者を彼らの音世界に引き込む。純粋に音を探求する姿勢が、強く心に残った。

そして今年の象徴はやはりFRED AGAIN.. 機材トラブルの後、最初の一音が放たれた瞬間に会場は跳ね上がった。MareaやDelilahでは大合唱が巻き起こり、観客の声が苗場の夜に響いた。さらに、客席中央に設置されたMPCを叩きに走ったシーンは、演者と観客の境界を完全に消し去るものといえよう。巨大なフィールドが一つのダンスフロアへと変貌する、忘れがたい瞬間だった。

FRED AGAIN.. 25日 GREEN STAGE
FRED AGAIN.. 25日 GREEN STAGE

夕方以降にはバンドの魅力が際立った。VULFPECKは技術で観客を踊らせ、リズムの合間に自然と笑顔が広がった。VAMPIRE WEEKENDは透明感のあるギターサウンドで会場を明るく染め、音楽の喜びを分かち合う時間を生み出した。

VULFPECK 26日 GREEN STAGE
VAMPIRE WEEKEND 27日 GREEN STAGE

夜には反復の快楽が支配する。FOUR TETは光と音を緻密に重ね、立体的な空間を作り出した。BARRY CAN’T SWIMはジャズ的な推進力をハウスに注ぎ込み、観客の足取りを軽やかに。TYCHOはRED MARQUEEに幻想的な音を響かせ、熱狂とは異なる陶酔をもたらした。

FOUR TET 26日 WHITE STAGE
BARRY CAN’T SWIM 26日 WHITE STAGE
TYCHO 25日 RED MARQUEE

今年のフジロックは、ファッション、ごはん、音楽が重なり合って完成する場だった。動ける装いで仲間と過ごし、食を楽しみ、夜には体を揺らす。その積み重ねが「ここに来た」という実感を形づくる。苗場で過ごした時間は、また来年の夏へと向かう理由になる。

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