子供のころ、ウルトラマンと怪獣の戦いに夢中になった人も多いのでは? 純粋なヒーローアクションとしても楽しいけれど、実は驚くほど深いメッセージが込められている。ただの勧善懲悪では終わらせない自然との均衡やドラマ性。これこそが今なお世界中で愛され続けている理由だ。そんなウルトラマンの〝起源(オリジン)〟の軌跡を辿ったのが『THE ORIGIN OF ULTRAMAN(オリジン・オブ・ウルトラマン)』。ウルトラマンシリーズ60周年を記念したドキュメンタリー映画がいよいよ公開を迎えた。
世界を沸かせる
トップクリエイターへの絶大な影響力!
エンタメ界の第一線で活躍するクリエイターたちにも、ウルトラマンは多大な影響を与えてきた。本作の企画を担当した映画監督の是枝裕和をはじめ、ギレルモ・デル・トロ、小島秀夫など、彼らの創作の原点にどれほど深くウルトラマンのDNAが組み込まれているのかが、熱く語られている。まるで少年時代に戻ったかのように語る彼らは、観ているこちらも思わずワクワクさせられる。
「映画史上で最も優れたデザインの一つ」─ ギレルモ・デル・トロ(映画監督)
「どこかで人と人は理解し合える」─ 是枝裕和(映画監督)
「僕の根幹にある存在」─ 小島秀夫(ゲームクリエイター)
「ウルトラマンの呪縛は死ぬまで続く」─ 庵野秀明(監督・プロデューサー)
「自分らしくあれというメッセージ」 ─ ニコラス・ウィンディング・レフン(映画監督)
宇宙競争時代に生まれた
ウルトラマンからのメッセージを紐解く。
ウルトラマンが誕生した1966年は、アメリカとソ連が激しい宇宙競争を繰り広げていた激動の時代。そんな背景の中で生まれたウルトラマンには、現代にも通じるメッセージが隠されている。毎回さまざまな怪獣が登場するが〝地球を破壊したい〟という単純な悪意だけではない。だからこそウルトラマンたちは、対話を試みようとする。自分とは違う存在、理解の及ばない未知の存在に対して、拒絶ではなく理解しようとする姿勢。分断が進む現代にこそ必要なコミュニケーションの大切さというメッセージも込められている。
唯一無二の世界観を築き上げた
当時の制作秘話も見どころ!
ウルトラマンシリーズのコンセプトを形作ったメインライター・金城哲夫に焦点を当てたパートも本作の大きな見どころ。シナリオにかける情熱や怪獣に命を吹き込んでいった製作の裏側が、関係者たちによって明かされる。ウルトラマンのデザインを形作った美術総監督・成田亨の「子供にこそ本物を見せなきゃいけない」という真摯な姿勢など、当時のクリエイターたちの仕事ぶりにも注目だ。
ノスタルジーに浸るだけでなく、大人になった今だからこそ深く刺さる発見に満ちた本作 。長年シリーズを追いかけてきたファンはもちろん、これまでウルトラマンにあまり触れてこなかったという人にとっても、その奥深い世界や特撮文化の価値を知る最高の入り口となる珠玉のドキュメンタリーになっている。世界を魅了したヒーローの歩みを、ぜひスクリーンで目撃してほしい。
【INFORMATION】
『THE ORIGIN OF ULTRAMAN』
全国公開中
配給:TOHO NEXT 円谷プロダクション
©TSUBURAYA PRODUCTIONS
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