スター・ウォーズの楽しみ方は映画だけにとどまらず、いろんな形が存在する。フィギュアに関連グッズ、コスプレに至るまで、それらを集めたり装ったりするのもスター・ウォーズへの立派な愛情表現。コレクターたちの愛情と思い出が詰まった、コレクション、作品、活動について、関連エピソードとともにたっぷりと教えてもらったよ。
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コレクターファイル
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自らの手で表現するのは
映画に感じた造形美。
スター・ウォーズ関連の展示イベントに足繁く通う人の中には、その名をご存じの人も多いかと。どろぼうひげさんは、電飾模型のパイオニアだ。メーカーや専門誌からの依頼を受け、塗装どころか電飾や内部再現、ジオラマ化と、驚きのアイデアを具現化して納品するビルダーとして活動している。作品の中には、作家としてキットではなくゼロから仕上げたものも。「私の子どものころは、プラモデル制作はあたりまえの遊びでした。一度は離れていましたが、子育てが一段落してから再開。そのころには電子工作も得意になっていたので電飾にも凝り出し、その様子をブログにアップしてみました。するとあれよあれよと読者が増え、仲間が増え、気づけば依頼が増え……こうして今に至るって感じですかね」
プラモデルのジャンルは問わず、王道のガンプラにカーモデル、そのほか多くの作品を手掛けてきた。その中でも、とりわけ思い入れがあるのがスター・ウォーズだ。「初めて映画館で観た時の、ときめきと興奮はいまだ忘れられない。日々通っては、入れ替え制ではないのをいいことに1日に何度も観ていました。スター・ウォーズを身近に感じたいからスケッチまでとったほど……(笑)」。現在、プラモデル制作は自身のライフワークだという。感動を自らの手で作り上げることに喜びを感じるそうだ。「発信すると何かと叩かれるこのご時世。ですが若い人には臆せず、クリエイティブなことにどんどん挑戦してほしいと思いますね。今回、記事を通じて何かしらの刺激を受けてもらえれば、冥利につきますね」
どろぼうひげさんの
マイベスト作品は?
作品名
AT-ST

『スター・ウォーズ/帝国の逆襲(エピソード5)』と『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還(エピソード6)』に登場する帝国軍の歩行重機AT-STウォーカーがエンドアの森を進軍する様子を切り取った。キットはバンダイ製、制作期間 1カ月。大木は麺棒、低木Nゲージ用ジオラマパーツを利用しているという。足元には森に生きる民、イウォークたちが倒そうと奮闘した様子も!

そのほかにも
多くの作品がある。
作品名
ホーム・ワン

『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還(エピソード6)』に登場する、反乱軍の母艦にあるドックの様子。Xウィング・スターファイターをはじめ、駐機するビークルはすべてエフトイズの食玩をアレンジした。激しい戦いの後などヤレた雰囲気も忠実に再現している点から目が離せない。吊るされたクレーンも実に精巧だ。

作品名
ミレニアム・ファルコン

手のひらサイズながら精巧な出来栄えで話題を呼んだ1/350スケールのバンダイ製ミレニアム・ファルコンを採用。このビークルが輝く瞬間として選んだのは、『スター・ウォーズ/新たなる希望(エピソード4)』でハン・ソロとルークが出会い、惑星タトゥイーンを脱出する場面。こちら、実はハガキサイズのコンパクトな作品だ。
作品名
デス・スターII

『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還(エピソード6)』のデススターIIを再現。30cm地球儀をベースにイチから作り上げ、Xにて世界中でバズった傑作だ。その制作期間は5カ月半! 建造中であるこの星(?)を表現すべくプラスチックプレートを組み上げ、光ファイバーを通して内部の光源から光を確保。


作品名
スター・デストロイヤー

バンダイ製キットを使ったスター・デストロイヤーは、内部構造が見えるように左側面をカット。内部構造は未公開のため、居住区やドックの配置を想像して構築したそうだ。ハイパースペースを航行するためのクラス2ハイパードライブが光る様子は、さすが電飾職人。

作品名
ミレニアム・ファルコン

主宰するサークル、どろオフのメンバーの知見を活かし、バンダイ社と取り組んで発売されたというパーフェクト・グレードモデル。撮影時に使われた模型にはどんなパーツが使われているかをメイキング映像などから割り出して、型を起こしたんだとか。


photo:TomooShoju(BOIL) edit&text:YutaYagi、ShuheiSato