〈PATAGONIA〉大人気ダウンジャケットがついに防水仕様に!

パタゴニアが10年間に渡って改良を重ねている人気製品、ジャクソン・グレイシャー・ジャケット。その中でさまざまな試行錯誤を繰り返し、ついに防水ダウンと謳えるジャケットへとアップデートした。今回は製品開発責任者であるマーク・リトルさんの来日に合わせて、製品のこだわりや製品開発の裏側について聞いてみたよ!

 

話を聞いたのは……
パタゴニア メンズ・ライフ・アウトドア
グローバル・プロダクト・ライン・ディレクター
マーク・リトル さん

大手アパレルメーカーで経験を積み、2012年1月、パタゴニアに入社。メンズ・スポーツウエアとサーフ・アパレルの製品ライン・マネージャーを務め、2015年3月からに現職に就く。アパレル業界で23年以上の経験を持ち、ファッション界の大物たちと仕事をともにしている。パタゴニアのミッションと価値観を反映した高品質の衣類を作ることに情熱を注ぐ一方で、変革的な農業や二次廃棄物の転用にも焦点を当て、社会的責任の価値観と循環型経済を推進するなど、よりよいビジネス慣行へのチャレンジを続けている。

 

 

 

ジャクソン・グレイシャー・ジャケットとは?

2017年にスタートした製品ライン。寒い地方で、寒い時にしっかりと自分を守ってくれるをコンセプトとしたダウンジャケットだ。防風性と保温性に優れるだけでなく、今回のアイテムからは防水透湿性も加わり、雨が突然降ってきても性能の低下を引き起こさない点が心強い。もちろん雪山で使用しても濡れによる寒さを感じることがなく、ドライな着心地をキープする。リサイクル・ポリエステルのみで作られ、アクティブなシーンでも日常生活でも使い勝手抜群だ!

 

保温性の高い700フィルパワー・リサイクル・ダウン100%(ダウン製品から再生されたダックダウンとグースダウン)のインサレーション入り。冷えの要因となるダウンの片寄りを防ぐバッフル構造も魅力的だ。メンズ・ジャクソン・グレイシャー・ジャケット7万1500円/パタゴニア(パタゴニア日本支社 カスタマーサービス)

 

 

 

10年かけて辿り着いた
防水性のダウンジャケット。

2017年に誕生したジャクソン・グレイシャー・ジャケットは、生地自体は防水性のものを採用していたが、カッティングの構成やシームテープの性能として完全防水とは言えないものだったという。

「私たちのプロダクトテストは、すごくスタンダードが高い基準にある。高い耐久性や堅牢さを求めるため、2017年の時点ではわずかに防水テストの基準をクリアできなかった。プロダクトの構想時から合わせると約10年もの間、いつかは防水にしたいという思いを持ち続けていたんだ」と語るマークさん。今回、再ローンチのタイミングで、従来の耐風性に加えて、防水性と透湿性を兼ね備えたダウンジャケットを実現することに成功した。

 

 

パターンやシームの貼り方で
完全防水化を実現!

ダウンジャケットってダウン自体が柔らかさをキープしているときはとっても温かい。その一方で、ちょっと雨に濡れたりすると中にあるダウン自体がダマになって保温力が下がってしまうのだ。そのため、ダウンが持つ保温力をキープするには、シェル部分が防水であるというのはとても大事なこと。雨の日だけでなく、嵐のように天候が激しく悪いときでも、しっかりと防水機能を発揮することにより、抜群の暖かさを保てるのだ。

「近年は、気候自体がものすごく激変している環境の中で私たちは暮らしています。暖かい日の翌日がすごく寒かったり、昼と夜の寒暖差が激しかったりする。その中でジャクソン・グレイシャー・ジャケットは、温かくドライで快適な着心地を提供するアイテムになっています。日本の気候を見ていると、山の近くに住んでいる人にはベストなアイテムだと思いますよ。もちろん東京のような都市に住んでいる人にもオススメできるアイテムであることは間違いないですが、アスリートのように本格的なアクティビティに触れている人にとっても、移動や普段の何気ないリラックスする時間など、山と街の中間域で使えるアイテムになっていますね」

 

 

山で活躍する機能やコンセプトは
街の普段使いにも役立つ!

「止水ジッパー、カフ、防水仕様のシェルなど、山で使うテクニカルな機能というものは、寒い街で歩いている際にも役に立つ。山や自然の激しい環境下でなくても、そういう機能性をしっかりと発揮できるジャケットがこのジャクソン・グレイシャーなんですよ。“本格的なアイテムだけど日常使いもできるように”というのをすごく意識して作りました」

 

シェルのテープ処理に加え、ジッパーもすべて止水仕様。完全防水を謳っているだけに完璧な仕上がりだ

 

フード部分は大きめの作りになっている。それにより、キャップやニット帽などを被っている状態でも余裕ですっぽり収まる。フードにもダウンが入っているため、被っている状態でなら耳なども寒さから守ることができるはずだ。隠しドローコードによる調整もできる

 

袖の内側にはストームカフスが備わっているため、雪山などの寒い場所で内側の温かさが外に逃げることがない。その一方で、自転車を乗る人のデイリーユースとしてもオススメしたい。袖口からの冷気の侵入を遮断するため、風を受け続けるサイクリストの防寒着としても最適なのだ

 

ハンドウォーマーポケットはソフトな起毛トリコットの裏地付きで温かい

 

ダブルジッパー仕様になっているので、座っているときにボディまわりのもたつきを解消することも可能だ。マークさんのように胸元までダブルジッパーの下側を開ければ、温かくなりすぎた際に熱を逃しやすい。この機能は、電車内などでの温度調整としても役立ちそうだ

 

 

カラーはブラック、シェルターブラウン、トーリーパイングリーン、ノーブルグレーの全4色展開。その中でもブラウンやグリーンはデニムパンツとも相性よく、アクティブな大人のアウターとしてぴったりだ

 

 

洗濯もできるので
アウトドア用にも最適!

完全防水だけど洗ってもOK。ジャケットにはPFAS不使用のDWR(耐久性撥水)加工が付いているので、汚れてしまったときは家で洗濯しよう。そうすることで機能性を取り戻すことが可能だ。

「汚くなっても大丈夫。いつでも洗濯ができます。私たちは性能の高いプロダクトを作っているけど、『汚しちゃったら大変だ!』みたいな、洗濯もできないものは作ろうとしていない。ガシガシ使って、どんどん汚してもらって、たくさん洗いながら長い間使ってほしいですね。その方法は、webサイトにも記載していますし、ストアでもスタッフが教えてくれるので聞いてみてください」

 

 

 

最後に、ご自身が手がけた製品で
お気に入りのアイテムを教えてもらった。

カリフォルニアに住みながら、さまざまなパタゴニアの製品開発に関わってきたマーク・リトルさん。その一方で彼のプライベートは、サーフィン、スノーボード、キャンプなど、アクティブな趣味を楽しむ時間に溢れているという。そんな理想ともいえるライフスタイルを過ごすマークさんに、彼自身も愛用しているオススメの3アイテムを教えてもらいました。

 

 

リバーシブル・コットン・ダウン・ベスト

「軽いTシャツやロンTに、これを羽織って波チェックに行くような使い方をよくしていますね」。出身地であるカナダに帰国した際もベストだとちょっと肌寒いときがあるんですが、腕まわりがなくても温かいので重宝しているのだそう。「この製品は保温力ももちろんですが、自分のワードローブには天然繊維のもので揃えたいという人のために作った新しいコレクションなんですよ」

オーガニックコットン認証を目指す農家を支援するコットン・イン・コンバージョン素材を100%使用。リバーシブル・コットン・ダウン・ベスト3万7400円/パタゴニア(パタゴニア日本支社 カスタマーサービス)

 

 

 

ワックスド・コットン・ジャケット

「私自身、もともと天然繊維のものが好きだというところもありますが……。ワックスド・コットンっていうのはパフォーマンス素材の中でも原点と言えるもの。そういう歴史的な部分も重なって、自分にとってはなくてはならないものになっていますね。こちらのアイテムに関しては、スコットランドの老舗、ハリー・スティーブンソン社と共同開発した天然素材のエバーワックス・オリーブを施しています」

コットン・イン・コンバージョンを100%使用。パラフィンを使わず、グレープシードオイルやオリーブオイルなど、食品産業の廃棄物を利用した植物由来のワックスを採用。ワックスド・コットン・ジャケット5万7200円/パタゴニア(パタゴニア日本支社 カスタマーサービス)

 

 

 

 

コットン・ダウン・ジャケット

「パタゴニアが50周年を迎えたタイミングで手がけたアイテム。農法の転換を願ってリジェネラティブ・オーガニック・コットンを使いつつ、キルト加工を施したクラシックスタイルのコットン・ダウン・ジャケットですよ」

フェアトレード・サーティファイド工場で縫製している。コットン・ダウン・ジャケット5万600円/パタゴニア(パタゴニア日本支社 カスタマーサービス)

 

サーフィン、スノーボード、キャンプなど、アクティブな趣味を持つ暮らしを体現するマーク・リトルさん。彼のライフスタイルについては、2025年3月7日発売の雑誌『Fine』4月号の中で詳しくひも解いていくので、お楽しみに!

 

【問い合わせ先】
パタゴニア日本支社 カスタマーサービス
☎︎:0800-8887-447

公式webサイト
HP:www.patagonia.jp/home/

 


photo:Hideyuki Seta

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