「戦いに備えるときに聴く曲たち」プロレスラー・YOHの2023年をSpotifyまとめとともに振り返る。

オーディオストリーミングサービスSpotifyが、例年、年末に公開する「Spotifyまとめ」。

2023年によく聴いた曲を集めた自分だけのプレイリスト「My Top Songs 2023」では、この1年でどんな音楽を聴いたか、振り返ることができる。

Fine Onlineではアーティストや編集者、サーファー、モデルなど、各業界のキーパーソンにSpotifyまとめから今年1年を振り返ってもらった。

 

最終回は、プロレスラーのYOHが登場。

新日本プロレスに所属し、タッグ戦線で数々のタイトルを手にするほか、現在シングルでも頭角を現している彼だが、プライベートではレコードを収集したり、服を作ったりとマルチな才能を発揮しているそう。

そんな彼は2023年、どんな音楽を聴き、どんな日々を過ごしていたのだろうか。

YOH

宮城県栗原市出身。両親の影響で幼少期からプロレスに親しみ、中学時代に本格的にプロレスラーの道を志す。デビューしてからはタッグ戦線で多くのタイトルを残し、現在はシングルでもタイトルを獲るべく、チャレンジをしている。

トップアーティスト

僕の音楽の入り口はTHE BLUE HEARTSです。中学生のときに『ろくでなしBLUES』を読んで、ブルーハーツの甲本ヒロトさんやマーシーさんをモチーフにしたキャラが出てきて、そこで興味を持って、お小遣いをためてブルーハーツのベスト盤を買ったんです。すごい音楽だと思って、パンクが好きになって、そこからメロコアも聴き出して。

トップアーティストにランクインしているHi-STANDARDは、まさにメロコアのど真ん中という感じで大好きなアーティストです。

そこからはしばらくパンクやメロコアばかり聴いてきて、あまり他の音楽を聴くことがなかったんです。ですが、2年半前に膝の怪我をしてしまって欠場していたときがあって、そのときにレコードをもらったんですよね。せっかくなので、プレイヤーを買って聴いてみるかと針を置いてみたら、デジタルとは一味違う音の面白さに気づいて、そこから針やスピーカーを揃えて、レコードを掘り出しました。

レコードをディグり出してからいろんなジャンルと出会うことが多くて、あんまり聴かなかったジャンルにもこんなに魅力があったんだと、音楽の幅が広がっていきましたね。

音楽を聴くシチュエーションは移動中が多いです。特に、次の試合場所の近くの高速道路を降りたとき。会場が近づくにつれて徐々に戦いモードになってきて、サバシスターやHi-STANDARD、銀杏BOYZなど、激しい音楽を聴いています。

今年1番聴いたアーティストはMoonchildで、これは出会い方が面白くて、今年の春に引っ越しをした際に、引っ越し業者の方が僕の荷物を見て、「音楽されている方なんですか?」と訪ねてきて(笑)。そこから音楽の話で会話が弾んで、Moondchildをおすすめしてもらったんですよ。実際に聞いてみるとすごくよくて、引っ越しの荷ほどきをする際にはずっと聴いていましたね。

トップソング

踊ってばかりの国は、『自由を頂戴』という曲が好きで、歌詞の中に「玩具じゃないのよ 私はね」というところがあって、これがプロレスに繋がるなと。

例えば悪者に痛み付けられて、拘束されたときにどういう気持ちになるかを想像したときに、この曲のタイトルのように「自由を頂戴」と思うだろうし、試合のコメントにもいいフレーズだなとか思っていて。

自分のプロレスのときの心情やテーマのインスピレーションは曲から受けることは多いかもしれないですね。

2023年を振り返ると、これまで僕はタッグのイメージが強かったですが、シングルプレイヤーとしても自分のキャラクターを出していけた年なのかなと思います。チャンピオンベルトを獲得することはできませんでしたが、自分を表現するという意味では収穫の多い年になりました。来年はなんといっても、ベルトがほしいですね。『BEST OF THE SUPER Jr.』はもちろん、どの大会でも1位にこだわっていきたいと思います。音楽としては、プロレスの表現のインスピレーションになることも多いので、昨年以上にもっと音楽を日常に取り入れていきたいと思っています。いつか海外に行った際は、現地のレコードショップもディグりに行ってみたいですね。


写真/丸益功紀(BOIL) 文/高山 諒

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