転機は”ある人”との出会い、スノーサーフをうたう稀有なお店。

関越・上信越エリアから首都圏への帰り道。そこには、見慣れたスノーボードショップとは一線を画す雪山仕様のお店がある。

リラックス スノーサーフショップ。ここはスノーサーフを語るうえで欠かせない数々の名作と出合える。そしてそれだけでなく、人との関わりが持てる心温まるお店なんだ。

シーンのど真ん中に立ち、迷い人の道しるべに。

リラックス スノーサーフショップ オーナー・小清水純一さん:スノーボードを始めたのは、1987年。映画『私をスキーに連れてって』により、世間が空前のスキーブームの中、マイノリティだったスノーボードにサブカルチャー的な魅力を感じたという
 

国内外問わず、スノーサーフという言葉を店名に取り入れたショップは、ほとんど見たことがない。立ち上げたのは、1997年。翌年に長野五輪を控えた、スノーボード業界の絶頂期だ。そのタイミングもあり、スノーボード本来の楽しむという考えよりも、業界全体がビジネスに加担しているように感じたそうだ。

「純粋に楽しむことを追求したかった。だからこそ、ほかと同じようにスノーボードショップと名づけるのが嫌で…」。

ゲンテンスティック(GENTEMSTICK)を中心とした現行モデルをラインナップ。その一方で、貴重なアーカイブも一部飾られている
 

そして、たどり着いたのが、バックパッキング&スノーボーディングという形。

「当時では、かなり特殊な存在でした。店内にウィンタースティック(Winterstick)しか置いていなかったですから」。

その後、世界中のボードデザインにも影響を与えた玉井太朗氏がブランドを立ち上げたことが転機となった。

「1998年に講習会を含めたバックカントリーツアーに参加したんです。そこにゲンテンの愛用者がいまして。彼らは、通称カキTと呼ばれるボードに乗っていたのですが、ライン取りやスプレー、地形へのアプローチが見たことないものばかりで、完全に圧倒されました」。

ゲンテンスティックのフラグシップモデル TT。これは 小清水さんに転機を与えたカキ色のもの、通称“カキT ”
 

その後すぐに知り合いのツテを頼って玉井氏にアプローチ。意思疎通を図る中で取り扱いが決まった。

「バックカントリーブームやゲンテンのディーラーが増えたことで、いろいろな人がショップに足を運んだと思う。ですが、スノーサーフを軸にしている店は少なく、大衆的なスノーボード店ばかり」。

目当ての店を見つけられない人が増える中で、小清水さんは玉井氏に相談して、スノーサーフという言葉を店名に取り入れることを決めた。

「誰もがシーンのど真ん中にある店だなと認識できるようになったことで、興味を持ってくれた人に対して、アフターフォローまでしっかり見せてあげることができるようになった」。

スノーサーフについて興味が出たら、まずはこの店を訪れることから始めてみるといいかもしれない。

ウィンタースティックがブランドとして立ち上がった70年代頃のアーカイブ
 

70年代後半に生まれたラウンドテール。ソールには可動式のフィンがついている
 

70〜80年代のウィンタースティックは、現在のサーフボードに見られるようなチャネルがソールに作られている
 

SHOP INFO

リラックス スノーサーフショップ
(Relax Snowsurf Shop)

住所:埼玉県深谷市人見543-4
電話番号:048・551・0037
営業時間:15:00 〜 20:30
定休日:不定休
HP:relax1997.com
instagram:@relaxsnowsurfshop

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