人はなぜ宇宙に癒やされ、眠くなる?

宇宙は音の振動を伝える空気がなく、また光を反射する物体もほぼないので基本は無音の闇の世界。それを忠実に再現する宇宙映画は、時間を忘れさせてくれる存在かもしれない。雑念が多い僕らのいい癒やし時間となるかも!?

 

鬼才が魅せた映像美への
こだわりが詰まった傑作。

 

2001年宇宙の旅

冒頭に登場するキャラクターは喋らない類人猿ゆえに30分はセリフがない。そして宇宙空間のシーンが多く、必然的に無音。さらに鬼才スタンリー・キューブリック監督のこだわりから説明もないだ。この3つのハードルを超えてこそ、堪能できる映像の美しさがある。さらに理解したいなら、当初は共同製作者だった原作者アーサー・C・クラークの小説を読むといい。お互いの作品を補完しあえるはずだ。

 

類人猿から進化した人間は2001年、月面で謎の黒石板を発見し、その謎を解明すべく5人の科学者が木星へ向かう。しかし旅路でAIの反乱に遭い……。それまでの映画製作の常識を覆した、映画史に残る不朽のSF超大作だ 
『2001年宇宙の旅』ブルーレイ 2619円 発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント 販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント ©2008 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

 

 

 

チルなテンポと
映像詩がマッチ。

惑星ソラリス

二部構成の2時間45分にして、登場人物はたった9人。独特のテンポで進む物語は、詩的で哲学にあふれる映像表現を得意とする、ソ連の巨匠が描いた宇宙物語だ。観客を意図的に退屈させたと監督自ら公言しているが、抒情的な水の流れの表現が多彩で美しく、心地よさすら感じる。途中で首都高速をクルマで走るシーンがある。監督がただ撮りたかっただけとの話だが、果たして。

 

惑星ソラリスは、星自体がひとつの生命体。この異質の星と初めて接触した、ひとりの科学者との交流を描く、ファースト・コンタクトがテーマのSF作品。細やかで美しいセットは必見だ 
『惑星ソラリス』2Kレストア版ブルーレイ 5800円 発売元:アイ・ヴィー・シー Ⓒ Mosfilm Cinema Concern 1972,2016

edit&text : Yuta Yagi special thanks : Yudai Yamamoto

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