宇宙は音の振動を伝える空気がなく、また光を反射する物体もほぼないので基本は無音の闇の世界。それを忠実に再現する宇宙映画は、時間を忘れさせてくれる存在かもしれない。雑念が多い僕らのいい癒やし時間となるかも!?
鬼才が魅せた映像美への
こだわりが詰まった傑作。
2001年宇宙の旅
冒頭に登場するキャラクターは喋らない類人猿ゆえに30分はセリフがない。そして宇宙空間のシーンが多く、必然的に無音。さらに鬼才スタンリー・キューブリック監督のこだわりから説明もないだ。この3つのハードルを超えてこそ、堪能できる映像の美しさがある。さらに理解したいなら、当初は共同製作者だった原作者アーサー・C・クラークの小説を読むといい。お互いの作品を補完しあえるはずだ。


チルなテンポと
映像詩がマッチ。
惑星ソラリス
二部構成の2時間45分にして、登場人物はたった9人。独特のテンポで進む物語は、詩的で哲学にあふれる映像表現を得意とする、ソ連の巨匠が描いた宇宙物語だ。観客を意図的に退屈させたと監督自ら公言しているが、抒情的な水の流れの表現が多彩で美しく、心地よさすら感じる。途中で首都高速をクルマで走るシーンがある。監督がただ撮りたかっただけとの話だが、果たして。


edit&text : Yuta Yagi special thanks : Yudai Yamamoto