「どこが悪いかわからないけれど、しんどいな……」。カラダの不調には姿勢の悪さが影響していることも。姿勢改善は一日にして成らず。ということで、日常に取り入れやすい簡単な方法をお教えしよう。
姿勢がよくなる
魔法のフレーズ。
〝イメージと感覚的な体験〟で姿勢を正す方法を紹介。流れに身をゆだね力を抜いた状態(ゆらぎ)を取り入れると、緊張から解放され姿勢が自然によくなるのだ。ふとしたときに心の中で唱えてみて。
【頭・背中】
〝頭の中で小舟が静かにゆれている〟
頭は背骨で支えるのがベストだが、首や背中の筋肉で無理に支えている人が多い。これは姿勢の崩れや頭痛、目の疲れなどの不調の原因に。そこで頭の中に水面を広げ、ゆれる小舟を想像してみよう。頭が背骨にまっすぐ乗り、重みと筋肉の緊張から解放されるはずだ。
【腰まわり】
〝骨盤はワイングラスの底。いつも静かにゆれている〟
猫背や反り腰は腰まわりが硬くなり、ぽっこりおなかや腰痛などの不調を招く。人間のカラダは適度に脱力し、ゆらいでいる状態でまっすぐ立つのが理想的。まるでワイングラスの底でゆらぐワインの動きのように、骨盤がカラダの動作に合わせて自由に動くのを想像してみて。
【首まわり】
〝春、アルプスの雪がとけるように両肩がゆっくり離れていく〟
イカリ肩や胸を張りすぎると、首がこわばり、肩こりや首こり、頭痛、眼精疲労など、さまざまな不調が現れる。左右の肩を離し、首まわりの緊張をゆるめ、とにかく脱力することが大切だ。春の雪どけのように、両方の肩がゆっくりと四方八方に広がっていくイメージを持つといい。
【全身】
〝吐く息でカラダがゆるみ、吸う息で背骨が立ち上がっていく〟
人間は呼吸をすることで無意識に姿勢を修正している。ゆらぎのある呼吸をすると、吐く息でカラダの力が抜け筋肉がゆるみ、吸う息で背骨が立ち姿勢が自然と伸びていくのを感じられるはず。呼吸のゆらぎに身を任せられていないと、姿勢が乱れて疲れを感じやすくなるのだ。
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教えてくれたのは……
理学療法士、アレクサンダー・テクニーク国際認定教師 整形外科クリニックにて特命理学療法士として活動しており、姿勢に関する難しいケースを解決。著書に『筋緊張がとれ、自律神経が整う イラスト見るだけ整体』(KADOKAWA)、新作に『姿勢がよくなるからだの使い方』(ナツメ社)がある |
不調改善には
歪みのないカラダが大切!
首や背骨には多くの神経が集中しているため、姿勢の悪さが不調につながりやすい。そこで、脊柱に着目した手技療法「カイロプラクティック」の視点で不調の改善を目指そう!
負荷を分散させて
いい姿勢を手に入れよう。
姿勢が悪くなると痛みや不調につながると、教えてくれたのはWHO基準カイロプラクターの泉山先生。「人間は下肢から脳へ位置感覚の信号を送り、カラダのバランスを取るので、美しい姿勢には神経系と筋骨格系の均衡が重要。背骨を調整することで神経機能を高めることができますが、逆に姿勢が悪くなると関節や筋肉のセンサーが働きにくくなり、脳がエラーと判断して痛みや不調が出やすくなる」。具体的には、肩こりや背中が丸くなることで内臓が圧迫され、機能低下が起こることも。カラダの不調を改善するには姿勢を正すことが1番の近道なのだ。
「日本人の約8割はストレートネック、近年でいうスマホ首。姿勢を正すことは大切ですが、長時間同じ姿勢を続けるのはカラダに負荷がかかるので要注意。健康にいい姿勢というのは、適度に体勢を変えながらカラダにかかるストレスを分散させること」。ここで健康にいい姿勢を学び、日々の不調を無理せず改善していこう。
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教えてくれたのは……
IZUMIカイロプラクティック 院長 日本では数少ないカイロプラクティックの国際学位取得者。WHO承認の世界カイロプラクティック連合、国際スポーツカイロプラクティック連盟FICSの正会員でもある。テレビ番組や雑誌など、数多くのメディアに出演経験を持つ |
photo : Takuma Terata illustration : Miki Takahashi edit & text : Saki Higuchi(vivace)