21日間でかなえる脱・猫背ストレッチ。Part1

「猫背を治したい」と思っても、なかなか改善の兆しが見えず、諦める人も多いのでは? しかし全人類に告ぐ。猫背を改善するだけで心もカラダも大きく変わるのだ! 猫背ではない人も、ストレッチをするだけで予防ができるので、パート1から順番に猫背を理解しながらストレッチをしてみて。きっと脱・猫背が叶うはずだから。

 

教えてくれたのは……

スポーツトレーナー・理学療法士
中野 崇さん

JARTA代表。国内外のアスリートへの身体操作トレーニング指導およびスポーツトレーナーの育成に携わる。SNS では一般の人でも実践できるパフォーマンス向上のためのストレッチ方法などを紹介・発信中だ。

 

そもそも、
なぜ21日間なのか?

脳科学者によると、新たな人間の行動を脳が受け入れ、その行動を習慣として保存するのに「21日」かかると言われている。人間の脳は「始めてから21日たっていない行動」に拒否反応を示すらしいのだ。何かを変えたいならば、まず21日間はとにかく努力し続けること。その後は、苦労なく継続することができて、大きな成果を得られるはずだ。

 

 

猫背をひも解くと
日本の文化が見えてくる。

下のイラストを見てのとおり、猫背が改善されるだけでかなり印象がよくなる。姿勢がいいにこしたことはない。そもそも、なぜ猫背になるのか。スポーツトレーナーの中野崇さんにその理由を聞いてみた。

「現代人に猫背が多いのは、長時間のデスクワークやスマホの利用など生活習慣によるものが多く、さまざまな原因が挙げられますが、文化的背景を見ても日本人は猫背になりやすい。欧米人は胸にフォーカスする人種と言われていて、胸は感情を司る場所。サッカーや野球など、胸を張るスポーツも多いんですよ。これに対して相撲や柔道などの日本のスポーツは、やや猫背が基本の姿勢じゃないですか。これは日本人が好む、丹田(下腹)に意識を置く文化がかなり影響している。腹に集中することで感情を抑え、内なるエネルギーを発揮。猫背が悪いというより、猫背のままカラダが固まると心身に不調が生じてくるという感じですね」。結果としてポジティブになる脱・猫背。早めにケアして改善しよう!

 

 

 

呼吸が浅くなることが
悪循環の始まり。

猫背になると、何が起こるのか。そのメカニズムをしっかりと知っておこう。「背中が丸まり、肩が前に入り込んだ姿勢になることで肺や胸郭が圧迫されて浅い呼吸になる。特に胸の付近は全身と脳をつなぐ神経の束が通っているので、浅い呼吸が続くと流れが悪くなり、エラーが生じて自律神経が乱れます。自律神経が乱れることで、交感神経が優位になり、カラダが緊張してこわばり、気がふさいだり、やる気が出ないなどの心的影響を与えてしまうことも」。

 

猫背がもたらす、
悲しきデメリットとは。

猫背でカラダが前に倒れると、バランスを取るために背中や腰、肩に負荷がかかりやすく、肩こりや腰痛の原因に。また、血流が悪くなり脳への酸素供給が減り、集中力の低下を招いたり、背中が丸まることで実年齢より老け見えすることもある。

 

【デメリット】
① 肩こり、腰痛などのトラブル
② 集中力低下
③ メンタル不調
④ 見た目の印象が悪くなる

 

 

プロも試合後はガチガチに。
呼吸も浅くなる一方だ。

試合のたびに過度なプレッシャーを抱えるアスリートたち。「放っておくと精神疲労が蓄積されてしまいます。そんなときもケアはカラダから。カラダがかたい状態で心のケアをしても、あまり効果を得られないんですよ」。

 

どれだけカラダと心が強い選手でも、試合後は心も疲弊しているという。

 

試合後のリカバリーが次の試合のパフォーマンスにつながるため、意識しているアスリートも多い。

 

感情の炙り出しをしておくことが
猫背ケアにもなる?

感情を抑え過ぎたり、ストレスが溜まると猫背になりやすい。「怒りや悲しみ、不安など、今ある感情を認識するだけでカラダは緩みます。根本的な要因を解決する必要はありません。ノートに書き出すのも◎」だ。

 

パート2の記事に続く。


photo : Kenji Fujimoto illustlation : Mami Nagano edit&text : Sonomi Takeo

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