いま注目の若手騎手・坂井瑠星。個人成績でも輝かしい成績を収めるほか、甘いマスクで新しい競馬ファン獲得にも貢献している競馬界のエースでもある。しかし、そんな華々しい自身の現状を冷静に見つめ、ストイックに競馬に向き合う彼のオンとオフについて聞いた。
話を伺ったのは…… 坂井瑠星 選手 (Ryusei Sakai) 1997年、東京都生まれ。父、叔父ともに騎手という競馬一家で育つ。2013年に競馬学校入学、2016年に矢作廐舎に所属。2018年には海外G1初騎乗。JRA通算500勝を達成するなど、国内外で好成績を収め続けている。 |
【ON STYLE】
時速70kmの馬上から見る
世界トップへの道筋!
弱冠27歳にして昨年度の賞金ランキングでは4位に輝いた坂井騎手。今年2月にはサウジカップを制すなど、海外でのG1初制覇も果たした今最も注目を集める競馬騎手だ。「海外G1制覇はジョッキーになったときからずっと抱いていた夢。前から自信はありましたが、今は素直に嬉しいですね」冒頭で弱冠と述べたが、騎手歴はすでに10年に及び、同世代の騎手にはない経験ができていると自負する。「ジョッキーは勝ってこそ。毎レース緊張はしますが、その緊張をバネにしていい結果に繋げたいと思っていますね」。父、叔父ともに騎手だったこともあり、自身がジョッキーの道に進むことは、もはや必然だったとか。「自分にとって騎手は天職。だからこそ狙うはトップ オブ トップ」。その覚悟は明確かつ強固だ。
【OFF STYLE】
365日競馬漬けの日々が
自分をより高みに導く!
騎手であることの苦労と聞いて一般的に思い浮かべるのが体重管理。プライベートもさぞ大変かと思いきや意外な答えが……。「全然苦労してないですね(笑)。体質なんだと思います」と言いつつ、日々の生活を聞くとかなりストイックだ。「純粋なプライベートって……ほぼない。休日もトレーニングは欠かさないですし、取材などもあるので完全オフは月に1日あるかないか」。でも、そんな張り詰めた日々に対して不満はないという。「別に遊びたいと思わないですね。自分にとってはそれが当たり前ですし、そもそも興味がないんですよ」。女性からの人気の高さについても実に冷静だ。「競馬に興味を持ってもらえるキッカケになるのなら……」。すべては競馬のために。「目指しているのは、世界一のジョッキーですから」
photo : Kazuo Onodera text : Masafumi Yasuoka