アスリートに学ぶ本番で勝つメンタル術!〜Yu-ri(伊豆優李)〜

世界で活躍するアスリートたち。トップ選手たる所以は、本番で最高のパフォーマンスを発揮できる心の強さがあってこそ。彼らのメンタルから、ここぞというときにあるべき〝心の姿勢〟を見つけよう。今回はフリースタイルフットボーラーのYu-ri(伊豆優李)。驚くべきボール捌きでオーディエンスを魅了する彼のメンタル術とは?

 

情熱と力強さで心を支える
フリースタイルフットボーラー。

昨年開催されたアジア選手権で世界初となる4回転トリックを成功させ、日本人では5年ぶりにアジアチャンピオンに輝くという快挙を成し遂げたYu-riさん。難度の高い超絶技巧のトリックにも果敢にチャレンジしていくアグレッシブさが彼の持ち味だが、その半面、かつては本番でのメンタルの揺さぶられやすさに悩まされていたという。「優勝を期待されていたような大会で、大技を決めきれずに負けるという悔しい思いをこれまで何度も経験してきました。本番で絶対に技を決められるようにするには、もちろん練習量もあるんですけど、スキルがある程度のレベルに達すると、そこからの成功率はもうメンタルコントロールでしかない。緊張感もある程度は必要だけど、それにメンタルが負けるとミスが起きる。だから、自分にとってメンアルケアは毎回すごく大きな課題ではありますね」。

 

世界で戦えるプレイヤーとなるに至るまで、どのようにしてその緊張を乗り越えてきたのだろうか。「〝俺なら絶対に決められる〞。とにかく自分にそう言い聞かせてマインドコンロールしていますね。対戦相手がすごいトリックを決めて会場を沸かせたりしたときに、やばい負けるかもって一瞬でも頭をよぎると失敗する。そうならないように、試合中は俺の方が実力は上だ、だから俺が勝つに決まってるって、自分を徹底的に信じる。その気持ちを確実なものにするためにも、これだけやってきたんだから大丈夫だと思えるような練習量を積み重ねて自信を作っていきます」。

 

彼の勝負強さを支えるブレない自信。それは圧倒的練習量によるものだが、練習自体を〝努力〞だと思ったことは一度もないのだとか。「子どもの時から練習量はずっと同じで、今も週6で練習しています。でもそれは自分の中では努力じゃなくて、純粋に練習することがめちゃめちゃ楽しいからなんですよ。フリースタイルフットボール関連の仕事であっても、自分としてはあまり仕事と思っていないというか(笑)。もちろん仕事なのでちゃんとやるんですけど、やりたくてしょうがないからやっている。この感覚は多分、ほかのアスリートにも当てはまるんじゃないかな。アスリートであることって、そういうことだと思うんですよ」

 

今後、日本のフリースタイルフットボールシーンを牽引する存在として活躍を期待されるYu-riさんに、これからの展望について聞いてみた。「技の芸術性を求められるフリースタイラーは、アスリートであると同時にアーティストみたいな職業だと思っていて。だから、見る人に対していかに〝魅せる〞かということがすごく大切な要素になってくる。フリースタイルやってるやつって、すげーカッコいいんだなって憧れてもらう競技にするためにも、自分自身が人をひきつける存在でありたいですね」。その言葉どおり、彼の華麗かつダイナミックなトリックに多くの人が魅了され、パフォーマンスを披露するSNSは総フォロワー30 万人を獲得(2025年5月現在)。日本のフリースタイルフットボールの認知度を上げ、カルチャーを盛り上げる大きな影響力となっている。「もっとフリースタイルの魅力を広めたり競技人口を押し上げたりするためにも、やっぱり自分がどんどん活躍しなきゃって思いますね。それには世界王者を目指すのは当然として、テレビや雑誌といったメディアにも積極的に露出して、フリースタイルフットボールの枠組みを超えた活動をしていくことが目標です」

 

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