横乗りカルチャーと音楽の相性は切っても切れない関係だ。今回取材を進めていると、スケートボードがキッカケとなり、レコードにハマった人に出会ったよ。思い入れいっぱいのレコード愛を語ってくれたので紹介しよう。
ジャケットを見ただけで
思い出が脳裏に浮かぶ。
8年ほど前、逗子で購入したという1戸建て。こだわりはただひとつ、レコード部屋を作ること。たまの週末にはご近所仲間も集い、DJとしてホームパーティを盛り上げている。「パパ友がビール片手にふらっと遊びに来て、レコードを聴いて帰っていく、なんてことも。こういうご近所付き合いがとても楽しいですね」
レコードとの出合いは青春時代にハマったスケートボードがキッカケ。地元・山形のスケートショップで流れていたVHSから聞こえる音楽に耳を傾けたことが始まりだ。「店のスタッフにこの曲知ってます? って聞いて、LPを探して……。とくにNYスケーターのVHSに流れているヒップホップにハマっていました」
そうしたコミュニティから派生してクラブ遊びに流れ、ハウスやソウルなどのダンスミュージックにも傾倒することに。ヒットナンバーも含め、いろんな音楽と触れ合ってきたそうだ。「今のコレクションはハウスミュージックが中心。音楽はいろんな場所に連れていってくれる存在なんですよね」
以前のように雑多に買い漁ることができない今、レコード選びの基準は10年後も愛せるかどうか。事実、10年以上前に購入したレコードはどれも手放せない存在だ。「レコードはそれぞれに思い入れが強い分、ジャケットを見た瞬間に曲調や印象、思い出なんかがブワッと頭の中によみがえる。それがDJをしているときに直感的に働いて、いい雰囲気作りに役立つ。音楽データも手軽でいいけど、盤ならではの温もりが好きなんですよね」
マイベストはこの1枚!
『アディオス・アイェール』
ホセ・パディーヤ
話を聞いたのは……
佐藤祐司さん
会社員
1985年生まれ。会社員として奮闘しつつ、暮らす逗子で週末DJとしても活動。息子が通う学校でDJイベントを催すなど、ユニークな取り組みを行っている
photo : Hiroki Nakayama(IL NIDO.STUDIO), Tomoo Shoju(BOIL), Yuya Yoshimoto text : Shuhei Sato edit&text : Yuta Yagi