白井空良に聞く、日本流のスケートボードで1番を目指すことの意味。

東京五輪で多くの若き選手が活躍したスケートボード。年々注目度もレベルも上がるなか、今最もメダルを有力視されているのが白井空良選手。ブレず、迷わず、スタイルを貫く彼にとっての五輪とは。


白井空良
2001年、神奈川県生まれ。5歳の時に親の勧めでスケートボードを始める。2019年には、世界大会で優勝。2021年に、東京五輪出場を果たす。2023年、世界大会で再び優勝し、現在、パリ五輪代表の最有力候補に


日本でもスケーターが
稼げることを証明したい。


「海外に拠点を移すことは考えていません」。

パリ五輪スケートボード種目の代表候補である白井選手は、現在世界ランキング2位。昨年末に行われた世界選手権で見事優勝を果たし、世界王者となった。そんな彼が、日本にこだわる理由とは。

「日本が好きというのもあるんですが(笑)。世界で見ても日本のレベルは相当に高い。だから、海外に行くよりもここで地位を盤石にすることのほうが、難易度が高いと思っていますね」。

より高みを目指すがゆえの選択。パリ五輪出場も、そのひとつ。

「前大会では納得のいく結果ではなかった。今大会に出場となれば日本人トップとして行くことになるので、前大会以上に気が抜けないですね」。
 

さらに、将来を見据えた熱い想いもある。

「大会で成績を残すことだけが、スケートボードをする目的ではありません。でも、やりたいことを実現するためには、やっぱりお金を稼ぐ必要があるので・・・。五輪は世界から注目される場。金メダルを獲って、日本でもスケーターとして稼ぐことができると知らしめたいですね」


集中とリラックスの
バランスを模索するオフ。

白井選手の練習場である寒川町のスケートパーク「ザ パーク サムカワ」には、彼に憧れる若い世代のスケーターも多く通う。

「今23歳なんですけど、大会によっては最年長の時も(笑)。下の世代に夢を与えることも大事だと思いますね」。
 
そんな白井選手がハマっているのはサウナ。

「地元の友達と行って、ととのうのが好き。意識的に切り替えをしないと、ずっとスケートボードのことを考えてしまうので」。


オフで会う友達がスケートボードとは無縁なのも、そんな理由から。さらに、サウナはコンディションの調整にも一役買う。

「寝つきが悪くて。でもサウナに入った後なら、よく眠れますね」。

就寝前は、いろいろと考えてしまうことも多いとか。スケートボードに集中するためには、リラックスすることも大事。そう本能的に感じ取る彼だからこそ、そのバランスを模索し続けていた。


手に入るもので磨いてきたスキル。


デッキやウィール、トラックにこだわりはなく、一般的に手に入るものだとか。「コンケーブもずっと同じですね。デッキテープは荒めが好み。その方が、シューズに吸い付きやすいので」

自分のBMXで近所はふらっと。


近所の移動はBMXで。「以前、フラットランドの世界チャンピオンにセンスあるって褒められたんですよ。実は小さな大会に出てます。いずれ五輪? いや、それは無理です(笑)」

写真/平井敬治 文/安岡将文

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