サンプルとは、いわば試作品。製品化するまでにブランドとメーカーがあーでもないこーでもないと言いながら、試行錯誤する段階を示したものだ。
今回は、sacaiのトップコレクターである古角さんにお力を借りて、NIKE × sacaiのサンプルを拝借。現行品と比較して、サンプルの魅力に迫る!
\聞いたのはこの人/ Profile: 古角優介さん sacaiのトップコレクターとして、毎シーズンほぼすべてのアイテムを収集しながら、ときにはサンプルまで購入する。 insta @kokady_0523 |
集めてわかる、sacaiの解釈のすごさ
そもそも僕がsacaiに魅了されたのは、好きなものを好きな時に好きなように着るというブランドの理念に感銘を受けたから。服って自分で選べるものである一方で、トレンドにも左右される自由と不自由さが相まったジャンルのものだと思うんですよね。
NIKE VAPORWAFFLE sacai
ただ、sacaiに出合ったとき「好きなように服を着なよ!」と、背中を押されたような気がして、魅了されていきました。もちろんそれは服のみならず、スニーカーにもいえます。
NIKE sacai PEGUSUS VAPOR FLY
そもそもNIKE含め、今まで65種類のスニーカーがリリースされているのですが、再構築を想起させるものが多い印象。sacaiの服自体も既存の服と服を組み合わせて、新しい服を生み出していこうよ、という姿勢であり、デザイナーの阿部千登勢さんがもともとCOMME des GARCONS(コム デ ギャルソン)でパタンナーをしていた経験が生きているのだと思います。
NIKE VAPORWAFFLE sacai
その“再構築”が、NIKEとのコラボで一番発揮されているなと。なかでも、ヴィンテージの古きよきNIKEのモデルに試作を重ねてきたのが、sacai × NIKEの代表的モデルでもあるLD ワッフルだと思います。
これが跳ねるに跳ねて、自分自身コラボスニーカーにも惹かれていきました。これをきっかけに、もっと知りたい、集めたい欲があふれ、サンプルモデルまで集めるようになってしまったわけです……。
NIKE sacai CLOT LD WAFFLE
でも、そうやって人気の靴のもとになっているサンプルのモデルを調べていったり、実際に手元に残したりすると、そのスニーカー自体のルーツを知ることができるような気がしています。スニーカーがデキ上がるまでのヒストリーを感じられるといいますか。
今では、いろんな方のお力をお借りしまして、普通じゃ手に入らないようなアイテムまで到達してしまいましたね(笑)。
写真/丸益巧紀(BOIL) 文/ニッセンシュウ