コレクターたちのふか~いスター・ウォーズ愛 !【オモ写】

オモ写というのをご存知だろうか? ツイッターを起源とする、コレクターの新たなカテゴリーとして注目されているこのコレクションは、すでにスター・ウォーズの世界にも広がっていた。果たして、そのコレクションとはどのようなものなのか?

 

コレクターファイル

カメラマン
いっとぅんさん

Profile:
模型メーカーをはじめグッズを展開する企業の販促写真などを手掛けるカメラマンとして活躍。合成を使わない手法が好評。
X:@ooYOSHIYUKIoo

 

オモ写とは?
アクションフィギュアを使い、まるで生きているかのように撮影した写真作品のこと。2015年11月、当時のツイッター(現X)に「これからはオモチャの写真を撮ることをオモ写って言います。」と発信されたことに端を発し、以降フィギュア好きのツイッターユーザーのあいだで広く認知されるようになった。アクションフィギュア特有の躍動感を活かした作品から、4コマ漫画のようなコミカルなものまで、表現の幅がかなり広いのも魅力。

 

ダース・ベイダー卿が視察に訪れたら、をイメージした”もしも”シリーズ。まるで本当に歩いているかのように見えるのは、バチッとキメた形の数フレーム前のポーズを意識しているから。こうすることで、観た人が次の動きをイメージしやすいようにしているんだとか。空気を読まず通り過ぎるドロイドもいい!

 

 

フィギュアを並べ
自身のイマジネーションを追求。

フィギュアの楽しみ方は人の数だけある。ただ収集するだけの人もいれば、ポージングをさせたり、劇中のシーンを実際に演じさせたり、なんて人もいるはず。いっとぅんさんが普及に力を注ぐオモ写は、作り手のイメージを自由に具現化できる斬新な表現方法だ。「もともとコレクターでしたが、何か表現することに興味が湧き、知人の誘いもあって始めました」すぐさまオモ写コンテストに出品。今でこそ模型メーカーの企業案件も受けるほどのカメラマンとして稼働するが、当時は言ってしまえば、ずぶの素人。にもかかわらず、見事優勝を果たしたという。「ライティングやカメラの扱いは素人でも、フィギュアの扱いは手慣れていたからでしょうね(笑)」

 

ドラマ『マンダロリアン』と『ザ・ブック・オブ・ボバ・フェット』がモチーフ。中央から左奥に並ぶ4人の主役格マンダロリアンは、ドラマでは一堂に会することはない。もしも4人が揃ったら、を想像して構成した。飛び散る火花には花火を使用

 

ランコアに立ち向かうディン・ジャリンと、その様子を見つめるグローグーを表現した1枚。かなり奥行きのある大迫力な構図だが、実際にはスケール違いのフィギュアを置いて遠近感と迫力を演出。手前で声を潜めるグローグーは、実際には2cm程度のミニチュア

 

銃撃戦を繰り広げる、大勢のストームトルーパーたち。相手の猛攻にひるむことなく立ち向かう様子は、迫真という言葉がぴったりだ。コチラも、手前は1/6、奥は1/12と、スケール違いのフィギュアを並べて、いい塩梅の奥行きを出している。奥の煙や飛び交うビームは、花火を使って臨場感を演出。もちろん、合成なし

 

 

多くの人をオモ写の沼に誘うべく、プロとして尽力している。その魅力は、どんなところにあるのか。「フィギュアへの愛情表現を簡単にできるのが1番。いまやスマホのカメラ性能は本当にいいので、誰でもいい写真が撮れますよ」。特にスター・ウォーズフィギュアは、好きなら誰しもひとつは持っているもの。自分の理想のシーンや、劇中ではありえないキャラの絡みなどを、自由に創造できるのがおもしろいようだ。「何よりフィギュアは演技指導も不要で、長時間撮影でも文句を言わない。時間をかけて発想力をトレーニングできるのも魅力ですね」

 

ディン・ジャリンを中心に、ドラマ『マンダロリアン』の主要キャラが大集合!このメンツの中にボバ・フェットがいる、オモ写だからこそできる自由なキャスティングも楽しさのひとつ。差し込む光の雰囲気、ほのかに立ち込める砂埃など、作品の空気感をうまく再現している

 

コチラは一転してほのぼのとした雰囲気が魅力。自ら手掛けたジオラマに、特有のカワいいキャラが集合。グローグーの自宅でホームパーティか?なんて観る側が想像できるのも、オモ写の楽しみだ

photo:Tomoo Shoju(BOIL)、Kazuya Hayashi、Takuya Furusue edit&text:YutaYagi、ShuheiSato

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