CATCH THE WAVE 〜人生の波に乗る!〜 人物列伝 FILE#7

今回お話を伺ったのは、苦境に立たされていた波佐見焼のブランド化に成功したマルヒロ代表の馬場さん。そんな馬場さんが次世代に継承していくためにとった一手とは⁉︎

お話を聞いたのは……

MARUHIRO.Inc
馬場匡平さん

住:長崎県東彼杵郡波佐見町湯無田郷704-1
HP:www.hasamiyaki.jp
Insta:@maruhiro.hasami

 

〝さんちとくらす〞ことを
 目指した町づくりの一手。

長崎・波佐見町。かれこれ400年にわたり、日用食器を作ってきた歴史がある町。馬場匡平さんが代表を務めるマルヒロは以前、そんな町の一大産業である波佐見焼を扱う産地問屋=商社の役割を果たしていた。「現会長の父に言われて故郷に戻り、入社したのが2008年。このころの波佐見焼は生産額が落ち続ける一方で、会社も倒産寸前。そんな折に、縁あって中川政七商店のコンサルタントを受け、変革を目指しました」。まず取り組んだのが波佐見焼のブランド化。ハサミと名づけたブランドの第1弾製品となったマグカップは、60年代アメリカのダイナーで使われた大衆食器をイメージ。カラフルでポップ、それでいて機能的で丈夫、プリントまでできると、5万点の出荷を記録。これは起死回生どころか、今なお会社の基盤となっているほどの大ヒットとなった。

「目指したのは友人や仲間にいいね!と思ってもらえるモノづくり。受注して作って届けるこれまでのスタイルとは違い、自分たちで提案できる武器となる製品を作れたことで、波佐見焼のよさを多くの人に知ってもらえるようになりました」そんなマルヒロの直営店隣には、ヒロッパという名の公園がある。入園料はなく、誰でも自由にのんびりと過ごせて、コーヒースタンドとマルヒロショップを併設するが、ほかは名のとおりに広場があるだけ。なぜ、公園を自らつくったのか。「以前は波佐見を盛り上げようと、他地域からヒト・モノ・コトを呼んでいました。ただ場所も人材も必要で、労力も費用もかかる。そこで呼ぶのではなく、来たいと思わせられる器があればいい、と考えました」。伝統産業は得てしてアカデミックかつ閉鎖的になりがちで、加えて少子高齢化が叫ばれる時代。マルヒロという会社、波佐見焼という産業、そして波佐見の町を未来に残すためにも、より開かれた存在になれればと考え、そのひとつの手段として、誰もが楽しめる公園をつくったという。

「これまで繋がってきたアーティストや職人を交えてイベントを開き、波佐見焼を存分にPRしているんです。とくに子供たちがヒロッパをきっかけに焼きものを身近に感じてくれれば、後継者問題もクリアするかも。そんな期待もこめつつ、10年、30年、50年後のこの町、この産業がどうなるのか、楽しみにしたいですね」


text:Yuta Yagi

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